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中小・小規模企業の人手不足対応研/能力発揮できる職場へ/人材、業種、規模別に整理/経産省20161024建設通信
経済産業省は、働き方改革の一環として、柔軟な働き方を広げることや中小企業の人材不足への対応などに関する3つの研究会を設置した。このうち「中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会」(委員長・今野浩一郎学習院大教授)の初会合を21日に開き、人材不足に対応する今後の方向性についての検討に着手した。多様な人材別、建設業や製造業などの業種別、企業の規模別、企業の成長ステージ別、都市部と地方の地域別に、▽働き手が能力を最大限発揮できる職場づくり▽ソフト面、ハード面からの生産性向上への取り組み−−の2本柱を論点に、企業の事例を収集・分析し、人材不足対応への考え方を整理する。
研究会は計5回程度開催する。検討成果は2017年3月に報告書としてまとめ、中小企業などに活用してもらう。研究会の中で経産省は、中小企業・小規模事業者を取りまく人材不足状況、人材確保上の課題、人材不足対応の差を生む要素などについて、建築設計や建設コンサルタントなどを含む「学術研究・専門・サービス業」や建設業は正社員が不足傾向、製造・生産工程などは非正社員が不足傾向などと、データを使い説明した。その上で、人材不足が企業活動に支障を来す事例も出てきており、人材不足は経営上の観点から制約になっていると指摘。人材不足を乗り越えるため、マネジメント上の工夫が求められているのではないかと問題提起した。
また、働き手側が求める条件と職場環境や求人要件とのミスマッチによる潜在的な労働力もあるとして、中小企業が多様な人材から選ばれ、働き手が最大限能力を発揮できる職場を追求することが重要とした。さらに、人材不足克服手段として生産性向上を追求することも必要とした。
マネジメントや生産性向上は、事業規模や業種、地域などによって対応が異なるほか、建設業とIT業などとでは人材確保の環境づくり、人材活用、生産性向上の考え方も異なることから、今後の検討では、若者・女性・高齢者・外国人などの人材別、業種別などに議論することにした。
21日の研究会で、委員からは「いまの働き方を前提にすると、人材は確保できない。制約を取り払う職場づくりが重要」「職場への定着率は主婦や高齢者がよい」「人材不足は企業の成長にとってボトルネックになっている」などと、さまざまな意見が出された。
「副業・兼業」解禁フリーでも研究会
また、経済産業省は「副業・兼業」の解禁に関する研究会と、雇用関係によらない「フリーランス」の働き方を議論する研究会も設置、ともに11月中に初会合を開く。両研究会とも17年3月に報告書を策定する予定だ。3つの研究会が相互に連携しながら、働き方改革の1つとして柔軟な働き方が広がるよう環境づくりを進める。
副業・兼業は、多くの企業が就業規則などで禁止しているが、最近では容認する動きも出てきている。副業・兼業の解禁を検討するのは、企業が抱える有能な人材を広く活用することが狙い。複数のキャリアを積むことで従業員の成長につながるとみられている。その一方で、労務管理が困難になることや長時間労働を誘発するとの懸念もある。
フリーランスは雇用契約を結ばず、仲介業者などを通じて仕事を受注し、収入を得る働き方。専門性を生かせる好きな仕事を選びやすいとされるものの、収入が不安定との問題もある。
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