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社会保険加入強化へ動く/日建連もテコ入れ/大手筆頭に全面展開20161027建設通信
土木・建築を問わず、大手ゼネコンを筆頭に規模が大きな元請けから下請工事を受注する専門工事業を中心に、社会保険加入取り組みへの関心度合いがもう一段高まっている。担い手確保・育成という業界が抱える大きな課題解決の1つである処遇改善を打ち出す日本建設業連合会の取り組みを、大手企業などが社保加入促進でもけん引していることが理由。また1次下請けにとって自社社員は対応済みでも、実際の施工の多くを担う2次下請けの技能労働者が社保加入していなければ、来年度以降、施工に支障を来す可能性があるとともに、元請けとの関係も悪化しかねないからだ。
日建連は20日開いた理事会で、建設業界が社保加入を他産業並みにすることを目標に掲げ新たなスタートを切る2017年4月1日へ向け、社保加入率を今以上に上げることを目的にした「社会保険未加入対策の一層の強化に向けた具体的活動の実施」を報告した。
具体的には、加入へ向け周知徹底や指導を一層強化するとともに、来年度以降、特段の理由がない限り適正な社保に加入していない1次下請けの労働者(2次以下の下請けの労働者も含む)は工事現場への入場を認めないことを見積もりに明示し、契約条件にすることの徹底などが柱。
大手・準大手を中心に始まっている本格的な処遇改善に伴う社保加入取り組みを、個社で全面展開が大手ほど進まなかった一部準大手や中堅企業まで日建連が加盟企業を対象に拡大させる格好となる。
一方、社保加入対応で加入者への支払い体制を整えている大手ゼネコンの協力会組織に加盟する1次下請けは2つの不安に直面している。
1つは「協力会の中でも仕上げ系の加入が遅れている。急ぐよう要請しているが遅れ気味」(協力会幹部企業のトップ)という工種・職種ごとの対応の違いだ。
もう1つは、一気に加入率が進んだ1次下請けと比べ、加入率が遅れている2次下請けの対応動向とその影響に1次下請けが苦慮していることだ。重層構造のなか1次下請けだけで施工することは難しいことと、元請けから1次下請けに対し、2次下請けへの指導力が問われかねないからだ。
大手ゼネコンと取引する躯体系1次下請けトップは、「元請けは(社保加入分を支払う体制整備という)ボールをわれわれに投げた。ボールをどう投げ返すのか、下請けの対応が問われている。下手をしたら今後、(供給力の維持・囲い込みをする)元請けから切られかねない。そうならないように対応したい」と、2次下請けの社保加入取り組みに意気込む。
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