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安藤ハザマら/AIで切羽安定度予測/長大山岳トンネルに展開20161031建設通信
安藤ハザマと古河ロックドリル(東京都中央区、三村清仁社長)、マック(千葉県市川市、宮原宏史社長)は、AI(人工知能)を使って山岳トンネルの発破孔穿孔データから発破後に表れる切羽の安定度を予測し、可視化するシステム「TFS−learning」を開発した。岩手県宮古市で施工中の国道106号新箱石地区道路工事新箱石トンネル(発注者=国土交通省東北地方整備局)に適用し、実用可能なレベルで切羽安定度を評価できることを確認した。脆弱(ぜいじゃく)な地山が予測される長大山岳トンネルなどを中心に展開する予定だ。
「TFS−learning」は、発破孔を掘る際に油圧削岩機から得られる穿孔速度やロッドを岩盤に押しつける力(フィード圧)、ロッドの打撃作動油圧(打撃圧)、ロッドの回転作動油圧(回転圧)の各データと、目視の切羽観察で付けた切羽評価点によって、遺伝的プログラミングが穿孔データと切羽評価点の相関関係を学習する。
掘削開始から一定距離までは、技術者が切羽を観察して評価点を付け、システムに学習させ、一定程度学習すれば数理モデルを構築し、その後の発破孔の穿孔ごとに、発破によって露出する切羽の評価点を自動的に算出する。評価結果は、地山の安定度に応じて色付けしたカラーコンターで表示され、可視化される。山口大の進士正人教授の指導を得てシステムを構築した。
発破で露出する次の切羽の安定度が判定できるため、切羽直下での作業前に切羽安定度を確実に把握でき、作業員の安全性が高まるほか、不安定個所に対するコンクリート吹き付けなど最適な対策を事前に検討できる。同システムを適用した新箱石トンネルでは、技術者の目視での切羽評価点とシステムが予測した評価点の傾向が高い確率で一致することを確認できた。
長尺のボーリングで得られるデータを使った前方地山予測などにも活用を検討しているほか、他現場で蓄積したデータを使って掘削当初から安定度を予測したり、切羽安定度予測結果を踏まえた爆薬量の最適化などにも活用することを視野に入れている。
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