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熱中症死傷者、建設業就業者は21人減/厚労省16年速報値/官民一丸で対策注力20161101建設工業
厚生労働省は、2016年に発生した熱中症による全産業の死傷災害状況調査で最初の速報値をまとめた。建設業の死傷者数は92人と全産業の約4分の1を占めて最多となったが、前年の確報値との比較では21人(うち死者5人)減少した。今夏は全国的に平年よりも厳しい暑さとなったが、熱中症対策に官民双方が力を入れて取り組んだことが死傷者の減少につながったとみられる。厚労省は来年以降も建設業界と一丸になって対策に取り組む方針だ。
今回の速報値は、労働安全衛生法に基づいて休業4日以上の死傷者が発生した事業所から労働基準監督署に届け出があった報告を基にまとめた。
建設業就業者の死傷者92人(うち死者6人)を発生月別に見ると、1年で最も暑い7〜8月に大半の78人(4人)が死傷した。ただ、前年同期よりは24人(6人)少なかった。
気象庁によると、今年6〜8月は全国で例年よりも厳しい暑さとなった。太平洋高気圧の北への張り出しを強くする「ラニーニャ現象」がほぼ5年ぶりに発生した影響などで、6〜8月の平均気温は1946年に統計を開始してから沖縄・奄美で最高記録を更新。北日本、東日本、西日本の各地域も平年よりも0・6〜0・7度高かった。西日本は歴代6位、東日本は同10位、北日本は同16位となった。
厚労省は今夏に建設業で熱中症死傷者が減った理由として、初の試みとして例年より3カ月程度早い2月に建設業労働災害防止協会(建災防)などの関係団体に熱中症対策の周知徹底を要請したことや、業界側も例年に増して万全な対策を講じたことを挙げる。今後、確報値が明らかになるまで、引き続き死傷者の発生要因や今後講じるべき対策などをきめ細かく分析・検討する。
厚労省は、労働安全衛生法に基づいて策定作業に着手する次期労働災害防止計画(18〜22年度)でも、現行計画(13〜17年度)と同様に熱中症対策を重点施策の一つに位置付ける。次期計画では現行計画から引き継ぐ重点課題として、夏季の屋外作業での熱中症対策に関する評価や対策の義務化などを検討する。
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