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トンネル切羽付近作業環境を改善/厚労省が有識者検討会設置20161115建設通信
【粉じん障害防止対策議論】
厚生労働省は、NATMで施工する山岳トンネル建設工事の切羽付近の作業環境改善に向けた検討に乗り出すことを決めた。有識者検討会を設置して、坑内のトンネル切羽付近の作業環境改善に役立つ技術的事項を幅広く議論する。具体的には、トンネル切羽付近の粉じん濃度測定方法と測定結果の評価方法を検討、確立する。また、測定結果を踏まえた作業環境管理のあり方や粉じん障害防止対策を検討する。30日に有識者検討会の初会合を開く。2018年3月末をめどに検討成果を報告書としてまとめる予定だ。
設置する検討会は「トンネル建設工事の切羽付近における作業環境等の改善のための技術的事項に関する検討会」。トンネル工事の元請団体やトンネル専門工事団体、建設関係災防機関、学識者、弁護士など20人弱の委員で構成する。
山岳トンネル建設工事では、新工法の普及や機械の大型化などによって、粉じん発生の態様が多様化していることから、的確な粉じん障害防止対策の実施が求められている。また、13−17年度の第8次粉じん障害防止総合対策でも対策の推進が重点事項になっている。
こうしたことから、坑内の作業環境を「将来にわたりよりよいものにする」(厚労省)との観点で、最新の技術的知見に基づいた対策を検討することにした。
現在、山岳トンネル坑内の粉じん濃度測定は、厚労省の『ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン』に基づいた実施が多い。具体的には切羽から坑口に向かって50m程度離れた位置の断面で測定。粉じん濃度目標レベルは1m3当たり3mmグラム以下となっている。
検討会では、現行の測定位置と異なり、簡易で施工者の負担が少なく正確なトンネル切羽付近での粉じん濃度測定方法と評価方法を具体的に検討し、作業環境を正確に把握するための適切な方法の確立につなげる。検討会での議論を踏まえた上で、実際に複数の工事現場を対象に濃度測定の実施を計画している。作業員個人に測定器を付けてもらい濃度測定するほか、重機などにも測定器を付けて測ることが想定される。
測定によって得られた結果の評価方法の検討とともに、粉じん濃度に加え、作業状況や地山の状況など記録すべき内容も検討する。測定結果などを踏まえて、切羽付近の作業環境改善方策を探り、今後の粉じん障害防止対策につなげていく。フィルター(呼吸用保護具)の適切管理や労働者教育などを検討するとみられる。
検討会では、測定方法などを検討し、年明け以降に現場での測定を実施。測定結果を踏まえた対策などを17年度に検討する予定。
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