社会人(建設業社員)としての基礎知識

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固定費前提の価格設定を/稼働率低下で単価も下落/保険加入で東鉄協

 社会保険加入に向けて業界をけん引してきた東京都鉄筋業協同組合(東鉄協、館岡正一理事長)の会員が、2次下請けの法人化・正社員化という業界構造変化の“とば口”に立って、新しい業界のあり方を考える必要性に直面している。法人として社会保険料という固定費を支払うことを前提に、工事単価を決定する意識付けが求められている。

 東鉄協が16日に東京都墨田区の第一ホテル両国で開いた定例会では「(現在の稼働率は70%程度で)工事が動き出すのは来年の夏以降」など、足元の稼働率の厳しさを指摘する声が相次いだ。工事の大型化に伴って専門工事業者の決定から実際の作業開始までの期間が長くなっており、RC造からS造への転換なども相まったことが主な要因だ。稼働率の低下に伴い、「単価もかなり下がってきた」という。

 それでも、2017年4月からは社会保険未加入者の現場排除が始まる。東鉄協会員は、社会保険未加入対策が始まって以来、「まず加入させて、元請けに支払ってもらう」という姿勢で、これまで位置付けが曖昧(あいまい)だった専属班などの技能者集団を法人化して建設業許可を取得することで2次下請けとして明確に位置付けたり、技能者を正社員化するなどして、「来年4月までには必ず100%に持っていく」と強い意思を示してきた。

 ところが、未加入者の排除を目前にして稼働率が低下しては、固定費の増加をためらって加入の動きが鈍りかねない。元請けからの法定福利費の支払いは「法定福利費を別枠で明示した標準見積書を出しても、支払ってくれるところと、総額に含んでいるところ、払ってくれないところが、それぞれいる」という状況だが、今後も標準見積書の提出と適正な支払いを求め続けるしかない。

 問題は単価の下落だ。ある会員は、「専属班を法人化させて建設業許可も取らせたが、固定費を払いきれなくなり、技能者も辞めて、1社が廃業した」と明かす。新妻尚祐副理事長が「法人化して技能者が正社員になれば、(固定費を支払うために)単価を下げられないはず」と指摘するが、相変わらず稼働率が下がれば単価が下落している。2次下請けの法人化や正社員化といった業界構造の変化に、単価の決定方法が追い付いていないのだ。

 全国鉄筋工事業協会の内山聖会長が、そのほかの新しい課題も含めて「4月に向けてどうクリアするか、東鉄協が先陣を切って話し合い、知恵を出し合ってほしい」と求めたとおり、新しい業界の姿の構築が求められている。


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