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飛島建設/新事業に農業ビジネス/植物工場で5年後6億円20161121建設通信
飛島建設は、植物工場を軸に農業分野のビジネスに乗り出す。10月20日付でエアドーム型工場の共同開発者でもある農産物加工販売のグランパ(横浜市)が山梨県北杜市で運営していたレタス工場事業会社「株式会社ドームファーム北杜」(大堀裕康社長)を引き継き、グループ傘下に収めた。5年後には売上規模で6億円を目指す。大堀社長は「建設事業に次ぐ新事業の柱として育てる」とし、レタス販売に加え、植物工場システムのパッケージ提供にも意欲を示す。
継承会社は敷地8.3haに直径29mのエアドーム型植物工場を40基保有しており、現在は日産5000パックのレタスを出荷、年間2億5000万円程度の売り上げを確保している。5月にグランパから打診を受けた飛島建設は100%子会社のE&CSが運営委託する形で自ら事業を検証し、採算性などを見極めてきた。
エアドーム型植物工場は、骨組みがなく、陽の光を遮らないほか、苗が円形の中心部から成長しながら外側に押し出されるため、間隔を開けず植物を育てられる。収穫能力は従来の植物工場に比べ約2倍を誇る。ミスト冷房設備により夏場の温度調整も効率化でき、冬場は特殊加工の二重散乱光フィルムで高い断熱効果を確保する点も強みだ。
6月から取り組んだ運営委託の際には当初稼働工場が18基だったが、販路拡大や採算効率の引き上げを行い、現在は25基を稼働中だ。大堀社長は「夏場の生産が難しい時期に増産を図れたことは今後のビジネスの大きな自信になった」と手応えを口にする。目標の売り上げ6億円規模ではメンテナンス対応を考慮し35基のフル稼働を計画する。
生産品種はレタスに限定しているが、3年後をめどに新たな品種にも拡大する方針だ。神谷直樹工場長は「まずはレタスの生産ノウハウをしっかりと蓄積する。カット野菜用の加工設備も備えており、出荷翌日には店頭に出せる強みも発揮できている」と強調するように、現在は取引先数が20社となり、首都圏を中心に供給を進めている。
飛島建設の新事業は、アスベストの溶融無害化処理や丸太打設液状化対策などがあるものの、建設事業との結びつきが強いだけに、植物工場の切り口は新領域への挑戦でもある。現在の定款では農業領域の事業を位置付けていないため、成果を見極め、定款改正にも踏み切る見通し。また、継承会社はE&CSの下に置き、グループ会社の位置付けになり、現在は社員数が10人、契約社員は70人に達する。
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