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技術基準を総点検/公共建築発注者の役割再整理自治体への支援強化/国交省20161128建設通信
国土交通省は、地方自治体など公共建築の発注者に、発注者として果たすべき役割と、その役割を適切に果たすための方策を示す。調査・企画から設計、工事に至るまでの過程で発注者に求められる役割を整理。マンパワー不足などを背景に、その役割を果たすことが難しい市町村など自治体に対する支援に取り組む。実施すべき施策として、技術基準の総点検と必要に応じた改定を打ち出す。
官房官庁営繕部は、25日の社会資本整備審議会・建築分科会「官公庁施設部会」(部会長・大森文彦東洋大教授、弁護士)に、公共建築工事の発注者が果たすべき役割や、その役割を果たすための方策を盛り込んだ答申(素案)を提示した。
国の各省庁や都道府県、市町村など、発注者によって人員を含めた体制や技術力にばらつきがある中で、これまで必ずしも十分に整理されていなかった発注者の役割を再整理。発注者のあるべき姿を示すことで、自治体など公共建築の発注者が「適正な予定価格の設定」「適切な工期の設定」「適切な設計変更」など公共工事品質確保促進法(品確法)に規定する発注者の責務を確実に果たしていける環境を築く。
発注者は設計者や施工者との契約で、そのベースとなる「発注条件」を決定する権限を持つ。事業部局が作成した計画や予算措置の内容に沿って、諸条件の整理(調整)や発注条件のとりまとめを行う発注部局(営繕部局)は、調査・企画の段階から施設管理者(事業部局)や施設利用者、周辺住民、政策的な要請といった多様なニーズを「発注条件」として適切に落とし込んでいく必要がある。
品質、工期、コストのバランスをとりながら、事業の目的や関係者の要求を満たす「発注条件」を練り上げる能力は公共建築発注者に求められる根幹的な役割の1つ。設計者や施工者の選定と合わせて、発注者の果たすべき普遍的な役割として答申に盛り込む。
その役割を適切に果たすための方策として示すのが、事業実施のベースとなる技術基準の整備・活用や民間企業を含む外部機関の活用など。実施すべき施策として、技術基準の総点検と改定を行う一方、体制が脆弱(ぜいじゃく)な自治体であっても、その技術基準を使いこなせるように概要やポイントの明示、よくある質問(FAQ)の作成・共有化を進める。
情報提供の手段として専用のポータルサイトを開設。答申とは別枠で「発注者の役割」に関する解説資料や発注者の業務内容である設計者選定方式の運用に当たっての留意事項、新築や改修など工事内容に応じた発注条件の設定項目、合築やコンバージョンなどの参考事例、発注者支援として活用できる外部機関に関する情報の提供を行う。
12月16日に開く次回の会合で答申をまとめる見通し。
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