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災害廃棄物対策強化へ検討/議論開始、19年3月報告書20161214建設通信
環境省は13日、災害廃棄物対策のさらなる強化に向けた検討に着手した。多発する自然災害の状況を踏まえ、これまで全国各地で発生した非常災害を中心に、がれきなどの災害廃棄物処理実績や取り組み事例、得られた教訓を整理し、国や自治体、建設業や廃棄物処理業など関係民間事業者間で情報を共有する。また、関係者間の協働のあり方、災害廃棄物対策で民間事業者に期待する事項、地域間協調、処理システムや技術など幅広く議論し、諸課題に対応する今後の方向性をまとめる。
同日に有識者ら12人で構成する「災害廃棄物対策推進検討会」(座長・酒井伸一京大環境安全保健機構付属環境科学センターセンター長)の初会合を開き、議論を始めた。検討期間は2016−18年度の3年間とし、19年3月に検討成果を報告書としてまとめる。
環境省は13−15年度の3年間、「大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」で、大規模災害発生時を見据えた災害廃棄物対策の今後のあり方を検討。ことし3月に災害廃棄物対策のさらなる強化に向け、▽全国、地域ブロック、自治体各レベルでの災害廃棄物対策推進・支援体制の充実▽災害に備えた廃棄物処理施設の整備と効果的な運用▽災害廃棄物対策関連の研究開発・情報発信・国際協力▽災害廃棄物対策のフォローアップ−−の4項目に今後取り組むべきとの提言(報告書)を策定していた。
技術・システム、地域間協調で部会
今回立ち上げた検討会は、この提言に基づいて、今後の対策などを検討することになる。13日の検討会では、2つのワーキンググループ(WG)の設置を決めた。「技術・システム検討WG」は、災害廃棄物の発生量や必要な処理量を推計する手法の高度化、化学物質など処理困難物を適正で円滑に処理するための災害廃棄物の質の把握と情報共有手法を検討する。
また、首都直下地震などを想定した災害廃棄物対策技術・システムも検討する。15年度までの検討会で、首都直下地震で発生したがれきを、1日当たり3000tを処理する混合廃棄物処理施設を設置する場合の「基本パーツ(案)」をまとめていることから、2次仮置き場のシステムや情報管理方策などを検討する。この検討の過程では東京都と連携し、都が16年度内に策定する災害廃棄物処理計画への反映も見込む。
WGの委員は5人で、日本プロジェクト産業協議会の永田尚人防災委員会委員がメンバーに入っている。
「地域間協調・指針検討WG」は、自治体関係職員ら7人で構成。都道府県・市町村の災害廃棄物対応充実策や全国にある地域ブロック協議会の役割と機能の充実策を検討する。また、環境省の災害廃棄物対策指針を点検する。
指針は17年度中の改定が想定される。災害廃棄物処理に関する自治体間や官民間の協定締結を進めるガイドラインを作成し、指針に盛り込むことなどが見込まれる。
検討会の中で環境省は、日本建設業連合会やセメント協会などをメンバーとして15年9月に発足した「D・Waste−Net」(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の役割と機能を見直し、「初動・応急対応(初期対応)」と「復旧・復興対応(中長期対応)」に改めたことを報告した。日建連や日本災害対応システムズ、全国解体工事業団体連合会などは復旧・復興対応のメンバーとなっている。
また、各地域ブロック協議会の16年度活動計画も示した。ブロックごとの行動計画策定は、中部ブロックはことし3月末に策定した計画を見直し、16年度末に行動計画第2版を策定する。東北ブロックは17年度中の行動計画策定を見込む。関東や近畿、中国・四国、九州は計画の骨子や案をまとめる予定だ。
「実行力のある」体制構築へ連携
今後の検討については、▽継続的な災害廃棄物処理実績の蓄積と検証▽災害廃棄物対策のあり方の検討▽自治体や民間など関係者との協働による災害廃棄物対応の検討−−の3項目を柱に掲げた。具体的には災害発生頻度の変化や激甚化の影響、災害発生場所による地域特性の影響の検証、企業や業界団体などの民間事業者に期待する内容をまとめて、「実行力のある」災害廃棄物処理体制の構築に向けた関係者間の連携体制強化などに取り組む。
このほか対策強化に向け、自治体には、発災時でも通常の一般廃棄物処理と災害廃棄物が継続的に実施できるよう、災害廃棄物対策にBCP(事業継続計画)やBCM(業務継続マネジメント)を導入してもらう。
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