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目指すゴールは同じ/i-ConとCIM/生産性向上 実現ツールにCIM20161216建設通信
建設産業の将来像を導く概念として、国土交通省が打ち出した「i−Construction(アイ・コンストラクション)」と、そのツールの1つとして本格導入への検討が進む「CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)」。省内に「目指すべきゴールは同じ。融合してきているからこそ(その違いが)見えにくい状態になっている」という声もある両者の関係性や位置付けとは−−。動向を追った。
そもそも両者の関係性をひも解けば、先に走り出したのはCIM。建築で進み始めたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)をヒントに打ち出されたのが2012年3月のことだった。
一方、建設現場における“生産性革命”を旗印に15年11月に打ち出されたi−Conは、建設現場の省力化・効率化を目的にしたICTの活用が出発点だ。
「あえて整理するとすれば、i−Conのトップランナー施策であるICT土工が土工のみを対象としているのに対して、CIMは橋梁やダム、トンネルといった構造物をターゲットにしている」というのが国交省内の1つの見方。「CIMが一貫して3次元モデルを用いるのに対して、i−Conは決して3次元ということだけにこだわっていない。 ICTというツールを使って、生産性の向上が図れるものはi−Conと位置付けることができる」との見解もある。
その点で言えば、i−Conは、建設現場へのICTの導入を前面に押し出した建設現場の生産性を高めていく大きな施策の概念。一連の建設生産システムに3次元モデルを組み込んでいくCIMは、i−Conで目指すべき生産性の向上を実現するためのツールの1つと定義することができる。
とはいえ、「100人に聞けば、100通りの答えがある」という言葉に代表されるように、現状の解釈は十人十色さまざまというのが実情。ゴールが同じなだけに明確な線引きはあるようでないのが現実だ。
建設産業界が熱い視線を送る先に、建設現場へのICTの導入を推進する「ICT導入協議会」(議長・建山和由立命館大学理工学部環境システム工学科教授)と、一連の建設生産システムに3次元モデルを組み込む「CIM導入推進委員会」(委員長・矢吹信喜大阪大大学院教授)という2つの“推進力”が存在していることも、建設産業界が戸惑いを抱く要因の1つになっている。2つの推進力が議論、検討する要領・基準の整備に、建設業界の関心度は高い。
ICT土工から、ダム、橋梁、トンネルといった構造物(他工種)への展開を見込むこれからを考えれば、調査・測量から設計、施工、維持管理に至るまであらゆる段階に3次元モデルを用いるCIMのメリットを引き出す“使い方”がキーポイント。当面の焦点となるのはCIM導入推進委員会の「要領基準ワーキンググループ」の検討だ。
年度内をめどにCIM導入ガイドラインや設計・施工の各段階で3次元モデルを活用するための実施方針の策定など、 必要となる要領基準の整備が見込まれる中、CIMの本格導入が“生産性革命”を加速させることになりそうだ。
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