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国交省/運用指針後、初の入契調査/ダンピング対策は進展20161219建設通信
【予定価格 14都県が事前公表】
国土交通省は「公共工事入札契約適正化法」に基づき、対象となる国や地方自治体など公共工事の発注者による入札契約の適正化への取り組み状況を調査する、いわゆる入契調査の結果をまとめた。ダンピング(過度な安値受注)対策の柱となる低入札価格調査制度や最低制限価格制度の導入など、昨年4月にスタートした品確法「運用指針」の徹底へ、着実な進展を裏付ける結果となっている。
16日に発表した2016年度の調査(16年3月31日時点)は、昨年4月の公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく発注関係事務の共通ルール「運用指針」の運用をスタートさせて以降、初めての調査結果となる。15年度の調査が運用指針のスタート直前である15年3月31日時点での調査結果であったことからも、その比較が運用指針の浸透状況を推し量る1つの材料になると言っていい。
特に公共工事の入札契約適正化指針で「努力義務」とされている低入札価格調査制度や最低制限価格制度の導入といったダンピング対策は、運用指針の「必ず実施すべき事項」として、その活用の徹底が位置付けられている取り組みの1つ。15年2月に総務省との連名で未導入の自治体に対する早急な制度導入を要請するなど、いわゆる未導入団体への働き掛けを強めてきていた。
調査の結果によると、低入札価格調査制度と最低制限価格制度のいずれの制度も導入していないのは158団体(すべて市区町村)。15年度の181団体から23団体の減少となった。過去10年間の推移をみても、06年の484団体から08年に359団体、12年は232団体と着実に減少していることが分かる。
一方、運用指針で「原則として事後公表とすべき」とされている予定価格は、依然として706団体が事前公表を採用。都道府県レベルでみても、青森県、岩手県、宮城県、茨城県、東京都、石川県、愛知県、福井県、奈良県、島根県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県の計14都県が全案件を事前公表。一部で事後公表を試行しているが、原則として事前公表としている団体も秋田県や埼玉県など計10団体あった。結果として全案件を事後公表としているのは北海道や福島県など計15道府県で前回の調査と変わっていない。
また、社会保険等未加入業者への対策も都道府県レベルで進展している。調査時点で「実施していない」としている団体が2団体あった元請業者からの排除は、現時点ですべての都道府県で実施済みであることを確認。都道府県レベルでみれば、元請排除に続き、1次下請業者を社会保険等の加入業者に限定する「1次下請けの排除」へと取り組みのステージが移行している状況だ。
しかし、2次下請け以降も含めて加入業者に限定していると回答したのは福井県のみ。2次下請け以降への対応は都道府県レベルでもまだまだ取り組みが進んでいるとは言い難い。
元請排除にしても市区町村まで枠を広げれば、対策を「実施していない」との回答が半数を超す900団体に上るのが実情。社会保険等未加入対策の目標年次が迫る中、自治体レベルでの取り組みの促進も求められることになりそうだ。
■入札契約適正化法等に基づく実施状況調査
公共工事入札契約適正化法に基づき、公共工事の発注者による入札契約の適正化に向けた取り組み状況について、国土交通省と総務省、財務省が調査する(毎年度1回)。対象は国(19機関)、特殊法人等(124法人)、地方公共団体(47都道府県、20指定都市、1721市区町村)。16年度の調査は、品確法「運用指針」がスタートした15年4月1日以降の初めて調査結果となる。
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