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監督・検査にICT/負担軽減、不正行為を抑止/国交省20161220建設通信
【17年度から試行開始】
国土交通省は、直轄における監督・検査の改善に乗り出す。落橋防止装置の溶接不良や地盤改良工事における施工不良といった近年の不正事案への対応と、監督行為の効率化を目的にした措置。不正行為の抑止と効率化を両立させる監督方法として、ICT(情報通信技術)の導入を図る方針だ。2017年度から用いる技術や機器の信頼性を検証する試行工事の実施に踏み出す。
19日の「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」で今後の取り組み方針を明らかにした。
取り組みの柱として示すのは、確認作業の合理化・効率化を図ることができる「ICTの導入」や、確認頻度の軽減につながる「非破壊試験の活用」、不正行為の抑止に効果的とみられる「抜き打ち確認」の実施など。
特にICTの導入は、確認作業の効率化と不正行為の抑制という両面で、その効果が高い。例えば、自動計測システムによって施工データを自動的に保存しておけば、段階確認(臨場確認)の頻度を軽減することができる。施工データの自動保存によって人的な介在をなくすことができれば、不正行為の抑止にもつながるとみている。
ボックスカルバートやRC橋脚、PC上部工といったコンクリート構造物への活用など近年、より広範囲かつ詳細に不可視部分(強度や配筋状況)を確認できる状況が整いつつある非破壊試験も有効策の1つに設定。電磁波レーダー法など配筋の状態を外から確認できる非破壊試験を活用することで、施工中における段階確認の頻度を軽減する。使用する技術の精度や汎用性の確認を前提に今後、適用する対象工種を選定。17年度から試行を開始する。
一方、不正があった落橋防止装置の溶接や地盤改良工事における薬液注入を対象に抜き打ち確認も実施。受注者への事前通告なしで行う抜き打ちでの確認は、性善説に立つ現在の監督・検査の壁を打破するだけでなく、受注者の緊張感を保つなど、副次的な効果も期待できそうだ。
受注者から提出される書類の確認や現場での立ち会いによって行う監督行為や検査行為は、工事目的物である構造物の品質を確保する上で欠かすことができない。しかし、監督職員の担当する業務は、監督・検査ということ以上に地元との協議や設計変更に関する調整業務といった、いわば対外的な協議・調整が大半を占めているのが実態。その負担の大きさからも確認の項目や頻度を増やすことは現実的に困難とされていた。
これまでも監督職員の監督行為を補助する「監督支援業務」の導入によって、負担の軽減を図ってきたが、近年の不正事案の発生などを背景に監督行為の一層の充実が必要と判断。信頼性の担保を前提に監督方法の見直しに踏み切ることになる。
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