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技術検定に「電気通信」追加/検討会年明け発足高まる業界の期待/国交省/最短で18年度に試験開始20161220建設通信
国土交通省は、建設業法に基づく国家資格(施工管理技士等)を付与する技術検定に、新たな業種として「電気通信工事」を追加するための有識者検討会を2017年1月にも立ち上げる。電気通信工事の監理技術者は、ほぼすべてが実務経験をバックボーンに、その職務に就いているのが実態。実務経験として認められる規模の工事が減少している中、技術検定という登竜門が創設されることに対し、通信建設業界などからは歓迎の声が上がっている。最短でいけば、18年度中にも1回目の試験が実施される見通しだ。
電気通信工事の監理技術者になる道には、難関の技術士法に基づく「技術士」の資格を取得するか、「主任技術者資格に加え、元請けとして4500万円以上の工事で2年以上の指導監督的な実務経験」を積むという2通りがある。
国交省によると、電気通信の監理技術者総数は2万9518人で、このうちの97.2%に当たる2万8694人は実務経験で登録している。実務経験により一定の技術レベルに達していると推定はできるが、知識や技術に関する個々人のばらつきは否定できない。「適正な施工確保のための技術者制度検討会」では「監理技術者はできる限り、技術検定等の国家資格を有する者とすべきではないか」との方向性が示されている。
国交省は、実務経験による監理技術者が多い5業種(機械器具設置、電気通信、さく井、消防施設、清掃施設)の市場や技術者数などを分析。電気通信は監理技術者数が減少傾向にある一方、元請完成工事高は増加傾向にあり、技術者1人当たりの工事量が増えているという。
こういった状況から電気通信工事は今後、監理技術者の不足が懸念されると指摘。電気工事とは求められる技術が異なり、既存の技術検定種目での対応も不可能と判断し、電気通信工事の国家資格創設を決めた。技術検定には現在6種目(土木、建築、建設機械、電気工事、管工事、造園)があるが、電気通信が7番目として追加される。種目の新設は1988年の電気工事以来、約30年ぶりとなる。
年明けに立ち上げる検討会では、試験の内容などを議論する。17年6月に取りまとめを行う予定で、その後必要な政省令改正の手続きに移る。一般社団法人または一般財団法人と規定されている試験実施機関も別途決める。最短で進めば、17年12月末の官報に試験実施計画を掲載し、18年度から電気通信の技術検定が行われることになる。
情報通信関連の工事を主に手掛ける企業のトップなどからは「実務経験では、監理技術者になれるまでに時間が掛かる。技術士は取得が難しい。選択肢が増えるのは望ましい」「大変ありがたい話しで業界全体が助かる」など一様に歓迎の声が上がる。
情報通信工事は近年、工事金額の全体ボリュームは変わらないが、設置するアンテナなど機器の小型化に伴い、1件当たりの請負金額が小さくなり、工事件数が増加する傾向にある。監理技術者になるための実務経験としてカウントされる4500万円以上の工事が減る中、施工側は該当する案件が出た場合に将来の監理技術者候補をプラスで配置するなど、人材育成の観点でも対応を迫られていた。
1件当たりの工事の小型化は、監理技術者の配置義務が生じる工事(下請合計金額4000万円以上)の減少も意味するが、監理技術者の母数を増やすことで、全社的な技術者配置の最適化や技術レベルの高さのPRなどに役立つとみている。
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