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建設キャリアアップシステム/技能、経験を“見える化”/登録情報の真正性確保適正労務単価に反映20161222建設通信

 建設産業界の関心を集めてきた「建設キャリアアップシステム」が開発へと動き出す。このシステムが目指すものは、建設現場で働く一人ひとりの技能労働者が、その経験や技能に応じた育成と処遇が受けられるという産業の将来の絵姿。処遇の改善やキャリアアップへの道筋を示す業界全体の“インフラ”としてつくり上げていく必要がある。    

 「キャリアアップシステム」は、技能労働者が持つ技能や経験を業界統一の枠組みの中で“見える化”する評価ツール。技能者の保有スキルを証明することで、技能や経験に見合った賃金の支払いなど、技能者の処遇改善を図る一方、複数の現場を抱える元請企業(ゼネコン)や専門工事業者といった企業側にとっても現場管理(技能者の入場管理)の効率化といったメリットがある。

 特に複数の現場を渡り歩くことで腕を磨く特性から、その経験や能力を客観的に証明することが難しかった技能者にとって、蓄積した経験やノウハウを対外的に証明することができるシステムの存在は、建設産業界に技能者が持つ能力を評価する“市場”を築くことにつながる。

 最大のポイントは、登録情報の真正性が確保される点だ。システムへの 技能者情報の登録は、公的な身分証明書(写し)によって本人確認が行われることから、業界統一の枠組みの中で 技能者の真正性のある情報(就業履歴)を蓄積されるシステムとなる。

 システムに拡張性を持たせることで、既に各企業が導入している安全管理や入退場管理を提供する民間サービスとも連携・共存できる形とする方針だ。

 しかし、情報の登録やシステムの利用はあくまでも任意。来秋の運用開始から1年で約100万人、開始後5年間ですべての技能者登録を目指すとしているが、官民を含めた業界全体で活用していかなければ、そのメリットを生み出すことはできない。

 その“使い方”という側面でみれば、行政側にとってもその活用の可能性は大きく広がる。一例がシステム内に構築されることが見込まれるポータルサイト(技能者本人のIDで閲覧できるページ)の設置だ。

 このポータルサイトは、いわば技能者本人と行政がダイレクトにつながることができるツール。技能者の実態を推し量るための直接的なアンケート調査の実施や、技能者向けのバナー広告(広告収入)によって運営費の低減につなげていくことができる可能性もある。

 蓄積された真正性のあるデータは、労務単価への反映(よりきめ細かい労務単価の設定)など、40歳前後をピークに賃金が減少する技能者の現状を打破する、技能や職歴に応じた賃金体系を描く材料としても活用が見込まれる。


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