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当初予算に初の「ゼロ国債」/国交省 平準化推進 3000億円措置20161226建設通信
【単年度主義の原則打破】
国土交通省は、4−6月の第1四半期など、年度当初が閑散期となってしまう公共工事の壁を打破する「平準化」の推進に力を入れる。直轄工事における率先行動として、22日に閣議決定した2017年度予算案に約1400億円の『ゼロ国債』を設定。従来から取り組んでいる2カ年国債とのセットで約3000億円規模の“平準化措置”に踏み切る。当初予算でのゼロ国債の設定は初の試みとなる。
17年度予算における平準化への取り組みとして、16年度の約700億円から約1500億円へと倍増させる「2カ年国債」のさらなる活用と、当初予算で初となる「ゼロ国債」の設定を敢行。年度当初(閑散期)と年度末(繁忙期)の繁閑の波が大きい公共工事の特性や、その背景にある単年度主義の原則という“既成概念”の打破に取り組む。
従来は補正予算に活用されてきた「ゼロ国債」を当初予算に用いることで、翌年度となる18年4月−6月の事業量の落ち込みを緩和。建設企業にとって閑散期の現場の稼働率を押し上げる効果が期待できることから、「補正予算でしか認められていなかったゼロ国債が、新年度予算に使えることで発注準備を前倒すことができる。建設企業の仕事のやり方も変わっていくことになる」(同省幹部)。
複数年度にわたって工事を進めることができる債務負担行為は、建設企業にとって適正な工期の確保と、それに伴う人材や機材の計画的かつ効果的な活用に役立つ。
特に2カ年にわたって債務を負担 (契約)することができる「2カ年国債」に対して、初年度の支出がゼロである「ゼロ国債」は、 設定した当該年度(初年度)に発注・契約を行うが、国費の支出(施工)は翌年度となる仕組みだ。
17年度予算に設定した場合、18年1−3月に発注・契約を行っておけば、18年度の当初から工事に着手することが可能。仮に1月に契約して、2カ月間(2−3月)の余裕期間制度を組み込めば、3月末が納期である別の工事の専任技術者を配置予定技術者とすることができるなど、技術人材の有効活用にもつながる。
17年度予算における「ゼロ国債」の設定は、見方によっては需要の“先食い”の感もあるが、裏を返せば、年度末から18年度の当初に向けた需要が担保されているのと同じ。建設産業にとっては、5年連続での増額となった公共事業関係費など、5−10年スパンでみる持続的な予算の確保とのセットで大きな意味を持つ。「先を見通すことができる」という点でそのメリットは決して小さくない。
年間を通じた安定的な仕事量の確保につながっていく施工時期の 「平準化」の推進は、目下の政策課題となっている担い手の確保や生産性の向上を包含した「働き方改革」にも通じる取り組み。地方自治体に対する平準化への取り組み要請と合わせて、国策として、 公共工事が持つ単年度主義の原則という既成概念の打破に踏み出すことになる。
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