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どうなる建設市場−ポスト五輪占う・上/底堅い需要、継続と予想20170104建設工業

 ◇強固な経営基盤構築へ動く
 2020年東京五輪開催まで残り3年半を切った。国内の建設市場は活況を呈し、好調な受注環境を背景に業績を伸ばす企業が目立つ。継続して行われるインフラ整備に加え、急増するインバウンド(訪日外国人旅行者)への対応などもあり、ここへ来て20年以降も中長期的に安定した需要が見込めるとの声が相次いでいる。業界123社のトップにインタビューし、各社の「ポスト五輪」を探った。

 「昨年は、各社の業績に表れているように業界全体として非常に順調な一年だった。2017年も今の受注状況から見て、国内の建設市場は昨年と変わらず堅調だろう」。大林組の白石達社長は今年の建設市場をこう予想する。

 15年末のインタビューでは、市場動向について「20年までは堅い」「見通せるのは20年まで」といった声が多かったが、16年末に実施したインタビューでは、各トップが語る中長期の見通しに変化があった。

 清水建設の井上和幸社長は、「現在の建設投資の規模(51兆円前後)は少なくとも今後2〜3年は維持され、20年以降も大幅な落ち込みはないと見ている」と話す。住友大阪セメントの関根福一社長は「インフラの整備を進める必要があるため、セメント需要の急激な減少は見込んでいない」とし、材料供給側でも同様の声が相次ぐ。

 東京五輪翌年の21年に創業125周年を迎える五洋建設の清水琢三社長は、「(20年以降も)原発の再稼働関連や火力発電所新設・リプレース関連、国際コンテナ・バルク戦略港湾やクルーズ船ターミナル整備など国内土木の需要は底堅く、当社が関われる仕事は多い」と具体的なターゲットを挙げ、緩やかな事業拡大を目指す姿勢を示す。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が昨年12月に試算した東京五輪の費用のうち、組織委の負担分を除くハード関係(恒久・仮設施設、エネルギーインフラ整備)の経費は5900億円だ。

 三井住友建設の新井英雄社長は「五輪景気といっても、関連施設自体はそれほど多いわけではない」と捉える。関電工の森戸義美社長も「東京地区は東京五輪が終わったからといって極端なスローダウンはない」と同様の見方を示す。五輪自体の需要は一過性と見る向きが少なくない。

 一方、五輪が契機となって進む首都圏の大型再開発工事が今後、一斉に仕上げに入ることを懸念する声もある。大成建設の村田誉之社長は「18〜20年は手持ち工事が多く、売り上げには苦労しないが、18〜19年の生産体制の確保が課題になる」と指摘する。高砂熱学工業の大内厚会長兼社長は「五輪関連の工事の進ちょくに伴う労務費の高騰を懸念している」という。

 鹿島の押味至一社長は、「17年度は3カ年の中期経営計画のまとめの年。次の計画のベースとなる投資を行い、20年以降の備えをさらに強固なものにしたい」との方針を打ち出し、国内の規模を維持した上で海外事業の強化に力を注ぐ。

 社会ニーズの変化により、リニューアルやその他周辺事業の比重が、売上高に占める割合として大きくなることは考えられる。そうした時代に備え、収益源の多角化が一段と求められる。=「下」は5日付3面に掲載します


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