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総合評価方式改善/技術提案「S型」に焦点/国交省懇談会20170125建設通信

【評価やテーマ設定を工夫】
 国土交通省は、総合評価方式の改善に向けた取り組みとして、技術評価点の差がつきにくい状況になっている技術提案評価型(S型)の改良に乗り出す。焦点は求める技術提案のテーマ設定。参加者の多くが同じ技術を提案するケースのように、点差がつきにくい技術(その有効性の確度が高い技術)は、特記仕様書への明示など、「標準化」を推進。求める技術提案に対する評価やテーマ設定に最大限の工夫を凝らす。

 24日の「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)に今後の取り組みの方向性を提示した。

 対象は、年間500−600件が発注され、技術提案型のほとんどに適用されるS型の改善だ。

 実際に技術提案に基づいて予定価格を設定する、上位タイプであるA型に対して、発注者が示す標準案に基づくS型は技術提案の“幅”が小さい。過去の実施状況をみても、 1位同点となるケースが多い傾向にあるなど、落札者と非落札者の技術評価点の得点率 (技術点による差)は経年的に縮小傾向にある。

 結果として、技術評価での差がつきにくい状況にあることはデータの上からも明らかだ。

■「分析・検証」の仕組み構築
 その改善策となるのが、点差がつきにくいテーマの取り扱い。

 特にS型の適用件数が多いトンネル、鋼橋上部、橋梁下部、PC工事を対象に「参加者に占める1位同点者の割合(上位間での点差のつきやすさ)」や「最高得点者と最低得点者の点差の傾き(上位と下位の点差のつきやすさ)」を分析することで、点差がつきにくいテーマであるかどうかを判断。参加者の多くが同じ技術を提案している場合は、特記仕様書への明示や基準化の検討など「標準化」を推進することで、以後の入札で技術提案のテーマから外す。

 この「分析」「検証」のプロセスを継続的に回す仕組みを築くことで、点差がつきにくいテーマへの対応(新たなテーマ設定)につなげる。

■新技術導入など試行案を提示 
 新たなテーマ設定として打ち出すのが、建設現場に生産性革命をもたらすi−Construction(アイ・コンストラクション)の推進や、それを支える新技術の導入促進など。

 施工の段階や視点を限定せずに、より幅広く新技術の直接的な活用方策(提案)を求める「新技術導入提案型」や、一般化されているとは言えない新技術の導入を、実際の現場をフィールドに実用化することをイメージした「新技術導入評価型」といった試行(案)を提示するとともに、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入を念頭に、より上流の段階から新技術を取り込むECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式の導入も方策の1つに設定した。

■総合評価の“限界”を指摘する声も 
 「点差がつきにくい」という現状への問題意識は、参加者(建設企業) の技術提案が一定のレベルに達していることに起因する。 「(企業は)かなりの成功体験を蓄積してきている。新技術に期待するというのは当然の流れ」との指摘は、評価項目や提案内容を含めた 「総合評価方式」の“限界”を示唆している。

 実際に「分析・検証」の仕組みを回すことで、新たなテーマを設定したとしても、企業側の技術力が追いついてくれば、再び点差のつきにくい状況を生むことになる。その点で言えば、短期的な取り組みとして、この改善策に取り組む一方で、中長期的に総合評価のあり方を根底から問い直す、あるいは総合評価の抜本的な改善に取り組むタイミングに差しかかっているとも言えそうだ。


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