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市町村職員/土木・建築 初めて増加/総務省の定員管理調査20170216建設通信
【地元志向の高まり裏付け/都道府県、政令市 再び減少】
市町村(政令市除く)の土木・建築部門の職員数が、調査結果が公表されている2005年4月1日時点以降、初めて増加に転じた。総務省の定員管理調査(16年4月1日時点)によると、1721市町村の土木・建築部門(一般行政部門)に所属する職員数が前年度比0.04%増の6万9299人となった。ただ、東日本大震災以降、下げ止まりつつあった都道府県と政令市では再び減少している。若年層の地元志向が強まっていると言われており、その流れを裏付けた格好だ。今後、さらに市町村が採用を増やせば、地域の建設業にとって担い手確保が厳しい道のりとなりそうだ。
定員管理調査によると、都道府県の土木・建築部門の職員数は前年比0.49%減の4万8093人、政令市が0.56%減の2万0882人だった。都道府県は、東日本大震災後、職員数が下げ止まる兆しが見え始め、14年には一旦、増加した。ただ、15年には再び減少し、16年も300人近い減少となった。
市町村で最も増加数が多かったのは和歌山市で、前年比10.4%(26人)増の276人となった。ただ、土木・建築部門の職員数が10人未満の市町村は、前年より1自治体増の569市町村で、建築部門がゼロ人の市も前年と同じ19市となっており、全国的に土木・建築部門の職員数を増やす傾向にあるとは言えない状況だ。
都道府県で見ると、最も減少幅が大きかったのは北海道で前年比3.67%減、次いで福岡県の3.39%減となった。東日本大震災後、大幅に増加した宮城県は、2.63%減と前年に引き続いて減少した。一方、20年夏季東京五輪も含めた社会資本整備を活発に進めている東京都は2.06%増で、4年連続の増加となった。千葉県は、3.58%増で最も増加幅が大きかった。
土木・建築部門は社会資本の企画調整や建設、管理を担当する部門で、東日本大震災以降、 国土の強靱化や社会資本の維持管理に注目が高まり、職員数を増やす傾向が全国的に見られた。再び減少が続けば、単価の調査など適正な予定価格の算出作業などに支障が出るほか、道路や河川堤防などの維持管理に人手が回らなくなる可能性もあり、ICT (情報通信技術)の有効活用などが急がれる。 一方で、地域の建設業にとっては、 都道府県・市町村が担い手確保の際のライバルでもあり、 市町村に人材が流入すれば建設業の人材確保がますます難しくなりかねない。
■定員管理調査
総務省が都道府県・政令市・市区町村を対象に毎年1回、実施している職員数の調査。4月1日時点の部門別、職種別の職員数を公表している。
■一般行政部門
議会事務局、総務・企画、税務、労働、農林水産、商工、土木、民生、衛生の各部門の総称。教育、警察、消防、公営企業は含まない。
■土木・建築部門
土木一般、用地買収、港湾・空港・海岸、建築、都市計画、ダム、下水の企画調整や建設、管理を担当する部門の総称。
■建築部門
土木・建築部門のうち、住宅、建築を担当する部門で、建築確認、建築指導・監督事務、住宅政策企画、公営住宅の建設・管理、融資、営繕工事を担当。
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