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防災・減災力を強化/農業農村整備へ技術開発計画案ICTを最大限活用/農水省20170217建設通信
農林水産省は16日、2017―21年度の5年間を計画期間とする「農業農村整備に関する技術開発計画」案をまとめた。16年8月に閣議決定した土地改良長期計画(16―20年度)で掲げた農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化や防災・減災力の強化など6つの政策目標の達成に向け、「事業のストック効果の最大化に役立つ技術の開発・普及の推進」を目標に掲げた上で、技術開発の重点化とハード・ソフトの適切な組み合わせなど6つの取り組み方針を定めた。
技術開発計画案は、同日に開いた食料・農業・農村政策審議会(農林水産相の諮問機関)農業農村振興整備部会の技術小委員会に示した。3月に開く部会に計画案を報告した上で、4月にも計画を策定する。
計画案によると、技術開発推進に向けた取り組み方針は、▽技術開発の重点化とハード・ソフトの適切な組み合わせ▽地域特性に応じた技術開発▽産学官・ユーザーの連携▽開発技術の活用▽人材の育成と品質確保▽継続的なフォローアップ−−の6項目。また、東日本大震災からの復旧・復興への対応も記載した。
取り組み方針では、IoT(モノのインターネット)やロボット、AI(人工知能)の進展を踏まえ、ICT(情報通信技術)を最大限に活用した技術開発、地域特性を最大限に生かした整備方法に見合った最適な技術の適用、技術開発の進展に対応して地域への的確な技術的サポートができる技術者の育成などについて記述した。震災関係では、除染後農地の省力的な維持管理手法などの技術開発を進めるとした。また、長期計画の6つの政策目標に対応した12施策ごとに、必要な技術開発の実施方針を明示。重点化する技術開発と関連技術事例を示している。
具体的には、重点化する技術開発として、センシング技術を活用した地下水位制御システムの開発、簡易で長寿命な暗渠排水整備技術の開発、農地の用排水管理などを遠隔操作・自動化する水利システム技術の開発、ドローンを活用した農地・施設情報の広域収集・可視化と利活用技術の開発などを掲げた。
ストック関係などでは、農業集落排水施設の再編統合計画策定技術の開発、同施設の低コスト管理技術の開発、農道と同施設の長寿命化技術の開発、農業水利施設や園芸施設などにおける太陽光・熱エネルギー利活用技術の開発、農業水利施設の劣化予測技術の開発、新材料導入による補修・補強技術開発、農業用ダムの堆砂の予測・管理技術開発、パイプラインの耐震対策技術開発などを提示した。
関連技術事例としては、インフラ維持管理・更新に関する多種多様なデータの蓄積・点検・活用技術などを明記した。このほか、気候変動対応や防災・減災力強化に役立つ技術も記載した。
参考資料として、重点化する技術開発の項目ごとに、開発の現状と5年後の目標、想定する主なユーザーを表形式で示したほか、ソフト対策とハード対策を組み合わせた4つの新技術導入モデル例も添付している。
計画は、今後の技術開発の展開方向を明確化し、関係者間で技術開発内容を共通認識して大学や試験研究機関、ゼネコンなど企業での技術開発を進め、開発した技術を事業で普及していく目的がある。
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