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三菱地所/4月1日から新体制20170220建設通信
【杉山博孝社長/大手町ビルはリニューアル/新本社を先進的オフィス空間に】
三菱地所の杉山博孝社長は16日、2017年度下期に本社を現在の「大手町ビルヂング」から「大手町パークビルディング」(東京都千代田区大手町1−1−1)に移転することについて、「移転後の大手町ビルは、内外観をリニューアルする」ことを明らかにした。新本社ビルは、「これからのオフィスのショールームとなる先進的なオフィス空間をつくりたい」とした。
杉山社長は、「すべての(築年数が経った)ビルが建て替えではなく、サービスによってより価値を高める方法があるとずっと考えていた」と本社移転後の大手町ビルが長年の腹案を具現化する場であることを語った上で、「大手町ビルの4階にフィンテック関係企業の集積場所をつくった。古いビルなので柱が多いが、フィンテックの企業にとっては空間を小割にできるので使いやすいと好評だ。本社が移転することで、さらにこうしたサービススペースを広げて、新しいニーズに応えられるようにしたい」とした。
14日に竣工した大手町パークビルディング(設計・監理=三菱地所設計、施工=竹中工務店)については、「いまどういうオフィスが求められているか、今後のオフィスとはどういうものか、をわれわれが実践すべきだと思っていた。先進的なオフィス空間をつくりたい」とし、吉田淳一常務(次期社長)も「今後、模範となるワークスペースをつくりたい」との考えを示し、4月1日付で新設する「働き方改革推進委員会」での取り組みを実践する場とする。
業務内容に応じて柔軟に働く場所を選択できる執務スペースのほか、考え事に没頭できる「コンセントレーションブース」や知識のインプットに集中できる「ライブラリ」など多様な共用スペースを設ける。また、新本社全体の約3分の1を「共用スペース」として整備し、社内外のコミュニケーションを促進する。複数階をつなぐ内部階段の設置や、執務スペース・共用スペースにおける多くの通路の確保など社員のコミュニケーションを触発する仕掛けも用意する。空調・照明などでは、創造性を高める空間を創出する新技術の実証実験も実施する予定。各種センサーも設置し、移動データの取得やAI(人工知能)解析によってコミュニケーションを活性化する最適配置の検討もできるようにする。
【吉田淳一次期社長/丸の内と他エリアで相乗効果/まちづくりは腰を据えて進める】
4月1日付で新社長に就任する三菱地所の吉田淳一常務は16日、杉山博孝社長と社長交代会見を開き、今後の都市開発の展開について「丸の内を中心に、それ以外のエリアでの開発と相乗効果を生み出すことで都市を形づくることが大事だ」との考えを示した。
杉山社長は、吉田常務を新社長に指名した理由について「大局観をもって物事を見渡せる。胆力もある。まだまだ変化の激しい時代に社長になるには、最もふさわしい」と説明した。吉田常務は、「百数十年前からディベロッパーマインドを持って丸の内を中心としたまちづくりを進めてきたことをいま一度、再認識したい。変化の激しい時代で先を見通しにくいが、その中でも『長期的視点でのまちづくりを通じて真に価値ある社会の実現への貢献』という信念を見失わずに進みたい」と抱負を語った。
今後の開発事業の方針としては、「まちづくりは腰を据えて進めるもの。2020年夏季東京五輪は大きな契機だが、それによってまちづくりの方向性が影響を受けるとは思っていない。ただ、世界から人が集まる時に、東京の魅力を発信できるよう準備は必要で、グローバル対応力を高めなければならない」とした。その上で、「東京のさまざまなエリアで開発が進む。例えば、常盤橋と丸の内の役割分担など、相乗効果が表れるようにすることが大事だ。単独のビルやブロックだけでなく、ソフトも含めてエリア全体の魅力を高めることが大事だ。丸の内、大手町、有楽町はもちろん、日本橋、八重洲などとも連携することが重要だ」との考えを示した。
重点取り組みでは、「長時間労働も含めてコンプライアンスを徹底したい。法令順守だけでなく、世の中の要請に応え、世の中の要請を先取りするアンテナ力を持って事業展開する」ことを挙げた。「新しい事業の柱をイノベートする力も必要になる。従業員の自由な発想で変革を生み出せる環境づくりを進めたい」と新事業展開の可能性も示した。海外事業は、「成長性という意味では、アジアエリアで日本のまちづくりの手法を生かせる。欧州や米国など安定性のあるところは、事業採算性があるという意味で並行して進めるべき。日本と親和性が高いエリアは注力すべきだと思う」とした。
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