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ゼネコン/成長基盤づくりに新計画/五輪見据え17年度始動/ゼネコンの中期経営計画20170221建設通信
2017年度から新中期経営計画をスタートさせる大手・準大手ゼネコンは32社中9社に達する。このうち大林組、戸田建設は1年前倒しで新計画に乗り出すことを決めた。20年の東京五輪開催まで3年半余り。堅調な国内市場を追い風に、ゼネコン各社はどのような計画を打ち出そうとしているか。新計画への方向性を追った。
17年度から新計画をスタートさせるのは3月期決算の大林組、戸田建設、五洋建設、東洋建設、飛島建設、錢高組、大豊建設、青木あすなろ建設、5月期決算の日本国土開発の計9社。このほか長谷工コーポレーションでは現行6カ年経営計画の後半3カ年が始まるほか、12月期決算の竹中工務店はこの1月から新3カ年計画を始動した。
1年前倒しで18年3月期からの新計画をスタートさせる大林組は「強固な経営基盤の構築」と「将来への布石」を基本方針に定める。計画期間が3カ年もしくは5カ年になるかは現時点で未定だが、白石達社長は安定する国内マーケットを足がかりに「海外事業の基盤を盤石にする」と意気込む。
25年までのグループ成長戦略を進めている竹中工務店では、その第2ステップとなる新3カ年計画が17年12月期からスタートした。グループ全体による社会への価値提供を目標に定める。宮下正裕社長は「建築単体ではなく、まちづくり総合エンジニアリング企業を目指して、各社のノウハウの高度化を図る」と力を込める。
経営再建を果たした飛島建設は、18年3月期からの3カ年を“攻め”の計画に位置付ける。伊藤寛治社長は「五輪後も国土強靱化や地方創成、観光などが建設需要を引き起こすだろうが、そのさらに先には大競争時代が起きる」と見通し、過去6年の中計で整えた収益力を生かしつつ、周辺・新領域を強化して不安定な状況を突破する力を付けたい考えだ。
日本国土開発も建築・土木事業で安定性を重視しつつ、周辺を強化するタイミングと位置付ける。朝倉健夫社長は不透明な先行きを見越し、「景気に左右される請負以外の比率を高められるよう関連事業部を強化し、建築、土木との3事業体制で補完しあえる形を目指す」と先を見据える。
このほか18年3月期からの新計画では、五洋建設が17年3月期に見込む売上高5000億円、営業利益200億円の水準を「安定して確保できる力」(清水琢三社長)を整え、東洋建設は「事業環境が良いうちに、足りない部分を強化する」(武澤恭司社長)とし、大豊建設は計画初年度に17年3月期の業績を維持することを前提に「品質と安全を第一に無理をしない歩み方で成長する」(水島久尾社長)方針だ。
18年3月期から5カ年の新計画に移行する青木あすなろ建設は、現在5割にとどまる民間売上比率を「20年度までに少なくとも6割に高める」(上野康信社長)計画を示し、非住宅分野と風力発電を軸とした新エネルギー分野の開拓を重点領域に掲げる。
戸田建設は「(長期を見据えた経営を)戦略的に進める」(今井雅則社長)ため、1年前倒しで18年3月期から新計画に移行することを決めた。特に「施工技術の集大成を導入する」(同)という本社の建て替えや生産性向上などの経営課題への対応を盛り込むほか、3月に設置する「戦略事業推進室」で働き方改革に力を入れ“ポスト五輪”に備える。
18年3月期から、20年3月期までの6カ年に渡る中計の後半が始動する長谷工コーポレーションでは17年3月期に過去最高益を達成する見通しのため、「数値目標の修正も考えている」と辻範明社長は明かす。収益の多様化に向けて物流系倉庫なども手掛け工事のメニューを広げるほか、20年以降の環境変化を見据え、海外事業にも注力する方針を示す。
東京五輪までの好環境を追い風に、各社が将来に向けた基盤づくりを推し進める中、17年度が現行計画の最終年度に当たるのは9社に達する。既に計画最終年度の数値目標を大きくクリアしている社もあるだけに、年度末にかけ計画を1年前倒しする動きも出てきそうだ。
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