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適切な賃金水準/問われる業界の本気度/石井国交相 「踏み込んだ対策必要」20170307建設通信

 長時間労働の是正や、それを支える週休2日制の実現など、建設産業における「働き方改革」に不可欠となるのが、適切な賃金水準の確保だ。視線の先にある担い手の確保・育成へ、ものづくり・国づくりとしての産業の魅力を訴えていくには、仕事に対する適切な対価が、現場に携わるすべての人に行き渡る仕組みを取り戻す必要がある。特に元下間、下下間の“民民関係”に踏み込んだ対応が求められることになる。               

 3日の国土交通省と建設業団体との意見交換会で、石井啓一国土交通相は、全国の全職種平均(単純平均値)で前年度比3.4%の上昇となった、新たな公共工事設計労務単価に触れながら、2月に自らが直接、聞き取りを行った技能労働者の“現場の意見”として、「まだまだ現場の賃金は上がっていないという切実な声もある」と強調。

 「これまで労務単価の引き上げを行うたびに公共工事、民間工事を問わず、適切な賃金水準の確保を要請してきたが、現場の実態を踏まえれば、実際の支払いが担保されるための、さらに踏み込んだ具体的な取り組みの実施が必要と考えている」と、各団体のトップに改めて技能労働者の適切な賃金水準の確保を要請した。

 この要請の裏側には、建設産業が抱える重層下請構造がある。

 建設産業専門団体連合会の才賀清二郎会長が「長時間労働の是正や、週休2日制の実現は国を挙げて取り組むべき課題。(働き方改革への取り組みは)発注者の理解なくして成り立たない」と訴えるように、専門工事業にとっては発注者(注文者)との協働が不可欠だ。

 日給月給制が多い技能労働者にとって、休日の確保は給与の目減りを招く要因になることから、賃金水準の引き上げがなければ、絵に描いた餅になりかねないという現実もはらむ。働き方改革の実現へ、いわゆる元下間は“運命共同体”としての対応が求められると言っていい。

 公共工事で言えば、適切な予定価格の設定や適正な工期の確保など、行政サイドが公共工事品質確保促進法(品確法)に示す“発注者の責務”を果たしたとしても、結局のところ、直接的な契約の相手方である元請企業への対応にとどまるのが実情。元請けから1次下請け、1次下請けから2次下請けへと適切に対価が行き渡る生産システムの構築は、元下間の民民関係に委ねるしかない。労務単価の引き上げや積算基準の見直しなど、行政の枠でできることは限られている。

 その意味で言えば、技能労働者の賃金水準の上昇という好循環へ、 行政側の思いに応えるだけの本気度が建設産業界に問われている。 特に元下間や下下間の契約や支払いに、 より踏み込んだ対応が求められることになりそうだ。


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