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仙建協の「杜の都建設協組」/共同受注・購買で活路/受発注者双方にメリット20170314建設通信
仙台建設業協会(仙建協、河合正広会長)の会員企業65社でつくる「杜の都建設協同組合」が13日に発足した。東日本大震災から6年が経過し、復旧・復興工事だけでなく、通常工事も減少する中、除雪・排雪や維持管理業務の共同受注などにより活路を切り開いていく方針だ。
仙台市の当初予算における普通建設事業費をみると、2014年度の1270億円をピークに減少傾向にあり、17年度は722億円と、ピーク時の6割以下にとどまっている。
仙建協の会員数もピーク時の約150社から76社まで減少しているほか、技術者・技能労働者の高齢化、担い手不足が課題となっている。
一方、同協会は震災後、仙台市との緊密な連携のもとで、272万tのがれきを分別・リサイクルしながら3年以内に処理し、後に「仙台方式」と称賛された実績を持つ。
こうした実績も踏まえ、14年6月に設置した「将来ビジョン研究会」(後藤栄一委員長)が、北海道や福島、群馬、栃木などでの先進事例の視察を経て、組合設立を提言した報告書を策定。これを受けて、この2月に会員向けの説明会を開くとともに、参加企業を募集した結果、全体の約9割を占める65社の賛同を得て設立する方針を固めた。
具体的な事業は、建設工事や除雪・排雪、施設の維持・管理などの共同受注について官民問わず対応するほか、組合員が行う事業に対する資材・消耗品などを共同購買する。
さらに、組合員の経営・技術の改善・向上や、組合事業に関する知識・技術向上のための教育および関連情報の提供などに取り組んでいく。
会員の対象は宮城県内の建設事業者で、業種的には建築、土木、舗装などのほか、専門工事業を含む建設関連の事業者とする。事業エリアは宮城県内とし、設立登記後は1事業者として建設業許可を取得し、国、県、市などの各発注機関に指名参加申請を提出する予定だが、当面は仙台市に働き掛けながら、組合としてできる仕事を模索していく考えだ。
同組合の設立により、建設業界では受注業務の効率化や組合員同士の連絡網の強化、災害措置能力の向上、地域実態把握能力や得意分野の活用などの効果が見込まれる。
行政側にも一括発注によるコスト・事務負担の軽減や災害時などにおける緊急連絡・緊急措置の効率化などの効果が期待できるとしている。
同市青葉区の宮城県建設産業会館で開かれた設立総会の席上、発起人代表の深松努仙建協副会長は「組合の設立はわれわれ会員、行政双方にとってメリットがある。今年度中に1件でも2件でも受注したい」と述べた。
議事では、定款などを承認するとともに、初代理事長の河合氏を始めとする役員を選任した。
総会後に会見した河合理事長は「組合員の利益を確保するため、気を引き締めて組合を運営していき、市民生活の安全安心を守る“町医者”としての役割を果たしていきたい」と話した。
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