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建材を汚れにくくする無色透明の液体 20051118日経ホームビルダー
ある企業の倉庫で、外壁に職人が何か塗装している。塗っているのは無色透明の液体なので、作業の前も後も、外観は代わり映えがしない。やがて職人たちは仕事を終えて立ち去った。
倉庫の外壁には2カ所、黒っぽいシミのようなものが小さく、しかしはっきりと次第に浮かび上がってきた。塗装職人による塗り忘れのミスだ。
塗られていたのは酸化チタンという物質の溶液だった。この物質は一定量以上の紫外線を照射されると「光触媒」になる。たとえば外壁に塗られると、表面に付く汚れの元になる物質を分解するほか、表面を親水化する。雨などでかかった水は薄い膜のように広がり、汚れを落ちやすくする。
倉庫の外壁の“シミ”は、職人のミスの証拠であるだけでなく、光触媒の効き目の証拠でもある。塗装を施した部分の汚れにくさは明白だったからだ。
光触媒は住宅の建材にも導入できる。工場で酸化チタンがコーティングされた外壁タイルや窓ガラスを採用して、その汚れにくさで住まい手の支持を得ている住宅会社がすでにある。光触媒の機能をうたう戸建て住宅向けの建材や設備は、いまや盛んに流通している。
ただ、光触媒にも限界はある。特に気をつけるべきは、屋内で使う場合だ。
屋内ではいくら採光がよくても、そこに降り注ぐ光は屋外の太陽光とは異なる。含まれる紫外線の量が大幅に減ってしまい、光触媒の効果は大きく減じることになる。
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