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電車脱線マンションに激突、37人死亡240人けが20050425読売
25日午前9時20分ごろ、兵庫県尼崎市潮江4のJR福知山線塚口―尼崎駅間の第1新横枕踏切の手前で、宝塚発同志社前行き快速電車(7両)の前4両が脱線、1、2両目が横転するなどして線路脇にはみ出し、1両目はマンションに激突、大破した。
電車には乗客約580人が乗っており、兵庫県警などによると、計37人の死亡が確認された。負傷者は約240人に上っている模様。
1両目には多数の乗客が閉じ込められた。高見隆二郎運転士(23)は重体の模様。兵庫県警は突発重大事案対策本部を設置、事故原因を調べている。
国土交通省は同日、近畿運輸局に対策本部を設置。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も現場に調査官を派遣した。
尼崎市消防局から多数の救急車が出動、大阪市や神戸市もレスキュー隊や救助工作車を派遣した。負傷者は関西労災病院(尼崎市)などに運ばれた。
快速電車は脱線後、線路脇の乗用車にも衝突。さらに1両目が線路東側のマンション「エフュージョン尼崎」1階に激突した。2、3両目は、1両目を押しつぶすような形で次々に脱線した。1両目は客車部分と車輪部分が分離し、客車部分は車体がL字形に折れ曲がった。
現場は、右急カーブする地点。JR西日本によると現場の制限速度は時速70キロに設定されているが、実際の通過速度は不明。脱線時に車と衝突した形跡はなく、単独事故と見られる。同社によると、現場付近の線路に、普段見あたらない白い粉のようなものがあり、置き石などの障害物がなかったか調べる。
尼崎東署は、電車の松田正俊車掌(42)から事情を聞いている。電車は現場手前の伊丹駅で約8メートルオーバーランし、バックして停車、1分半遅れで運行しており、通常より速度が上がっていたという。
乗客の証言などから、事故を起こした快速電車は、定められた制限速度を超える速度で、現場を通過しようとした可能性も浮上している。
JR西日本によると、現場の制限速度は時速70キロに設定されており、これ以上は「危険域」とされている。事故を起こした快速電車の最高速度は120キロという。
JR西日本によると、快速電車は伊丹駅でオーバーランを起こしたため、定刻より約1分半の遅れが出た。その後通過した塚口駅では、遅れは1分に短縮されていた。高見運転士は経験11か月という。
◆車内になお乗客◆
事故現場の約50メートル北の線路脇にある自動車整備会社の女性事務員、田中尚美さん(48)は、会社2階の窓から脱線の一部始終を目撃した。
田中さんによると、普通に走っていた電車が突然、「キキーッ」というブレーキがかかる摩擦音をあげ、その直後、1両目が傾きながら脱線した。車両は「ドオーン」という大音響を立ててマンションに衝突したという。脱線から衝突までの時間は10秒足らずだった。
電車はマンション北側の立体駐車場に激突、なぎ倒して、マンションに激突、中にあった車もつぶれた。
現場には電車のシートや乗客のカバンなどが散乱。線路脇には救助用のブルーシートが一面に敷かれ、救助隊員らが負傷者の治療に当たった。現場の南約20メートルには尼崎市消防局のテントが設営され、血まみれの乗客が毛布にくるまれて、担架で次々と運びこまれた。
ブルーシートの上に寝かされた乗客らは、血が止まらずズボンや服が真っ赤に染まっていた。顔にガラスやプラスチックの破片が刺さっている人もいた。
今回の事故について国交省は、重大度に応じて5段階に定めている鉄道事故レベルのうち、2番目に高い「レベル4」に該当するとしている。滋賀県信楽町の信楽高原鉄道(SKR)線で1991年5月、SKRとJR西日本の列車が正面衝突し、42人が死亡した「信楽鉄道事故」に匹敵する大事故と位置づけている。
死者数は、平成に入ってから信楽鉄道事故に次いで2番目。
JR西日本の垣内剛社長は午前11時15分から、大阪市北区の本社で記者会見。「被害に遭われたお客さんのことを考えると、鉄道事業者として申し訳ない」と陳謝した。
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