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自らの変革求める 道建協が中期ビジョン20050523建設通信
日本道路建設業協会(仁瓶義夫会長)は20日、道路建設業の将来のあるべき姿と自らの姿勢を打ち出した『道建協中期ビジョン2005 道路建設業の望ましい将来像に向けて』を公表した。市場の中長期的縮小を見据え、このままでは蓄積技術が喪失しかねないとの認識が背景にあり、結果的に自らの変革の必要性にまで言及している。道建協ビジョンは1996年公表以来となる。
ビジョンでは、45年設立以来のテーマである、▽道路技術▽道路建設業の健全な発展▽道路整備の推進――の3本柱を基本に据えた。そのうえで、(1)道路建設市場の変化への対応(2)技術と経営に優れた企業が自由に伸びられる環境実現(3)道路整備の着実な進展(4)安全確保(5)社会的責任の全う――について取り組んでいくことを打ち出した。
具体的には業界内部の課題として、事業領域拡大と労働環境改善の2点を上げた。
さらに外部の課題として、技術や知識を生かす調達制度改善と、発注者と一体となった広報活動強化を掲げている。
会見で仁瓶会長は新ビジョンを策定した背景として、「環境重視や災害に対する安全重視、財政的厳しさなど社会的ニーズの大きな変化があった」ことをあげた。さらに「1975年程度まで極端に市場が縮小したことが契機」と説明した。
また、ビジョンの前提となっている技術と経営に優れた企業が自由に伸びられる環境実現のためには、「地域要件を問題にしているわけではない」と前置きしたうえで、「行き過ぎた地域要件は現在の社会環境の中では問題がある」と課題を提起した。行き過ぎた地域要件については、市場縮小に伴って町村単位で域外企業を全面的に排除するような例の拡大がこれまでも問題視されていた。
一方、仁瓶会長は道路建設業界を取り巻く環境について、「発注条件と施工条件が大きく異なることによって、工事の採算性が極端に悪くなっている」と道路建設の現場実態の課題を指摘した。
さらにPFI事業についても、「従来、分離発注だった工事が一括発注となり道路建設業が元請けとして参入できなくなっている」と懸念を示した。
【道建協中期ビジョン主な骨子】
〈将来へ向けての主張〉
○指定建設業としての認識
○道路整備の中心的役割
○適正な施工体制の構築
○防災対策や災害復旧への支援
〈必要な取り組み〉
○地域住民、交通管理者を交えた設計・発注・施工の推進
○価格と品質で総合的に優れた調達(品確法)への対応
○舗装施工技術の保持
舗装施工管理技術者制度の活用・舗装技術者の質の向上、企業評価
○事業領域の拡大
路面の維持管理に関する民間委託・PFIによるプロジェクト提案・詳細設計を組み込んだ発注方式への働きかけ・ユニバーサルデザインを理想とする技術提案、製品開発・環境対策技術、リサイクル技術開発
○ゆとりある労働時間確保
年間休日日数の増加・多様な休暇制度導入
○若い力と確かな技術の確保
早期退職優遇と定年延長再雇用制度の同時導入・業績給移行と評価制度・若年雇用対策
○生産体制変革へのチャレンジ
施工能力の低い業者への発注回避・工事発注の年間平準化・機械開発、IT(情報技術)施工、作業員教育
○IT社会への変化に即した施工体制の確立
○環境や高齢者など市民生活への貢献する道づくり提案
○地域ニーズに応え環境保全に貢献する技術開発
環境保全や改善技術・生物自生環境を整える技術・地域社会に快適な暮らしを提供する技術・景観や美観に配慮した技術・高齢者や生活弱者に優しい技術
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