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ヒートアイランド対策で 風の道 の効果を確認20060314日経コンストラクション
都市部のヒートアイランド現象の緩和に,「風の道」が効果を持つことことが,国土交通省の研究プロジェクトで明らかになった。「風の道」とは,河川や広い道路など,建物に遮られない風の通り道のこと。東京の臨海部で風の強さや向き,気温などを観測した結果,東京湾からの海風の流れが,都市の気温分布に影響を与えていることがわかった。
東京・霞が関の東京會舘で3月13日,2005年夏に実施した実測調査の報告会が開かれた。この調査は,国交省が2004年度から3年間の予定で実施している「都市空間の熱環境評価・対策技術の開発」というプロジェクトの一環。汐留・新橋地区や東京駅,日本橋川,品川駅の周辺など190カ所に観測機器を設置して,風向きや風速,気温の変化などを調査した。
観測の結果,東京湾から吹き込む海風は,河川や道路に沿うように向きを変えて流れていることが確認された。また,海岸部の気温は,市街地に比べて最大で4度低くなっていることもわかった。風の道をうまく確保して海岸からの風を取り込めば,都市部の気温を下げる効果が期待できる。
汐留地区の観測データからは,高層ビル群の影響が明らかになった。ビル群の風下となる西側では,風上に比べて気温が約2度高くなっていた。
日本橋川周辺の調査では,川の上部にかかる高架道路が,風の道の障害となることもわかった。高架がない個所にくらべて,高架下は風速が半分近くに落ちていた。
このプロジェクトの検討会の座長を務める早稲田大学の尾島俊雄教授は,「道路など都市のインフラに対して,水や緑,風の道は,自然のインフラと言える。ぜひ,地図上に自然のインフラを描き込んで,都市計画に反映さるよう働きかけたい」と話している。
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