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低入工事立入検査 業法19条3を重視 大森審議官20060426建設通信
国土交通省の大森雅夫官房審議官は25日、低入札対策に触れ、「建設業法第19条3の不当に低い請負代金の禁止はこれまでほとんど使われたことのない条文だが、低入札工事への立入りの際にはこれを念頭に行う」とし、同条項の発動を視野に入れていることを明らかにした。同条項は注文者(元請け)が優越的地位を不当に利用して原価に満たない契約代金で契約することを禁じたもので、注文者への勧告や公正取引委員会への独占禁止法措置を要請するもの。同審議官は直轄工事だけでなく地方自治体とも一体となり取り組むとした。また、入札ボンドについても「総量規制効果を上げるため自治体、政令市と一体となり地域で面的に動かしていくことも考える」という考えを示した。
大森審議官の発言は、NPO(非営利組織法人)建設環境情報センターの「建設環境倫理セミナー」での基調講演でのもの=写真。地方整備局のWTO(世界貿易機関)対応の一般土木で2005年度の平均落札率が前年度より7ポイント以上落ち、80%以下のものが急増しているとし、「低入札が増えていることがうかがえ、地方自治体でも同様の傾向にある」と指摘した。また土木工事でのゼネコンの総利益率が10%から15%の現状で、予定価格の6、7割の落札では「まともな工事ができるのか。下請けにきちっと適正な代金が支払われるのか検査や監督を厳重に行う必要がある」とした。
この場合、14日に発表したダンピング(過度な安値受注)対策を進める上で、建設業法第19条3を念頭に立入検査すべき考えを明らかにした。同条項は「これまでほとんど使われなかったが、元下関係での元請けの優越的地位の乱用、原価に満たない契約を禁じたもので、元請けへの勧告や公正取引委員会への要請ができる」と述べた。同条項は優越的地位の規定や原価の特定が困難なことから、発動には慎重にならざるを得なかったが、大森審議官があえて「使われてこなかった」と表現することで、今後は伝家の宝刀を抜くことも示唆したと言える。
また審議官はダンピング対策に「最大の努力をしていく」とし、直轄だけでなく地方公共団体と一緒に取り組む場づくりをすることで、この「場」の存在感を抑止力としたい考えも示した。
さらに、総合評価方式は国土交通省が規範になることが政府全体で確認されているとし、各省庁の「大所は金額で50%の採用率になっていくし、地方自治体も今年度から試行するところが急増する」と述べた。
また、入札ボンドは5月10日の中央建設業審議会で導入を決めてから具体的な制度設計に入るとし「あまり緩くすると効果がなくなり、きつくすると動かない」と問題を指摘した。
入札ボンドは、財務体質面で不良不適格業者の排除が期待できるものだが、与信枠による受注の総量規制を効果的にするため「直轄だけでなく県や政令市と一体となり特定のエリアで面的に動かしていくことも考えられる」と述べた。
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