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ペナルティー強化を例示 設計ミス 施工不良で発注者責任懇20060607建設通信
国土交通省は6日、発注者責任の観点から、直轄事業の建設生産システムのあり方を検討する懇談会(委員長・小澤一雅東大大学院工学系研究科教授)を都内で開いた。2回目となる会合では、設計ミスや施工不良に対する今後の対応の方向性を議論し、国交省が設計・施工一括発注方式(デザインビルド、DB)の活用による設計者と施工者の業務分担の見直し、設計ミス・粗雑工事に対するペナルティーの強化、発注者・設計者・施工者の3者会議などの積極導入、技術者個人に対するペナルティーの設定などを例示した。
国交省は、設計ミスや施工不良の直接的な原因として、発注者の監督・検査の不徹底、不適切な工期・施工法の設定、契約事項以外の業務の不適切な処理、設計者の照査不足、施工能力やモラルの低下、コミュニケーション不足を指摘した。
その上で、(1)技術力の確保(2)体制の確保(3)不明確な責任分担(4)必要な技術の不在(5)技術競争の環境整備(6)品質に対する意識の低下(7)技術者としての倫理感(8)片務性――の観点から原因を分析し、発注者の視点から対応すべき方向性を例示した。
具体的には、技術力を確保するため、DBなどの活用による設計者と施工者の業務分担の見直し、設計者の工事監理への参画、入札時の技術力評価の強化、事後評価の入札時への反映強化、資格制度や直営体制の導入、OBの活用などを挙げている。
また、体制の確保では、設計者以外への照査委託、発注時期の平準化、コンサルタント業務での積算体系の見直し、不明確な責任分担については、瑕疵担保責任の厳正運用、瑕疵担保期間の延長、必要な技術の不在では、既存構造物の耐久性評価技術、補修技術の開発などを示している。
技術競争の環境整備として、設計ミスや粗雑工事に対するペナルティーの強化のほか、技術開発のインセンティブ(優遇措置)付与、入札ボンド、契約保証、前払い保証、瑕疵担保など保証制度の多様化を提案している。
品質に対する意識の低下を防ぐため、3者会議などの積極導入、技術者の個人評価の徹底・活用、地位向上などを挙げ、技術者としての倫理感を向上させるため、技術者個人に対するペナルティーの設定も例示している。
片務性の解消では、出来高部分払い方式の積極導入、適正な設計変更の実施などを挙げている。
会合では、委員から「技術者の必要性を整理すべき」「責任に対応するものと、何に対応するか明確化する必要がある」「発注者、設計者、施工者、国民のそれぞれの間でどのような責任が生じるのか整理すべき」などの意見が出た。小澤委員長は「各立場の責任と技術を高めるための方向性を中間的に取りまとめたい」と締め括った。
次回会合は27日に開き、中間報告をまとめる。最終的な提言は、2006年度内にまとまる予定だ。
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