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専門資格認定 建築士前提は不要 関係団体相次ぎ意見提出20060811建設通信
社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会の最終報告案「建築物の安全性確保のための建築行政のあり方について」に対し、関係団体の意見書提出が相次いでいる。日本建築士事務所協会連合会は、事務所の管理建築士の権限・責任の明確化と要件強化を強く要望した。日本建築家協会(JIA)は、統括能力を持つ建築士の認定や確認申請時提出書類への設計監理契約書の添付を再度、訴えた。設備6団体(空気調和・衛生工学会、建築設備技術者協会、電気設備学会、日本空調衛生工事業協会、日本設備設計事務所協会、日本電設工業協会)は、創設する(設備)専門資格に焦点を絞った。共通意見として、専門資格創設に賛同するものの、一級建築士の体系内にとどめた認定に異議を唱えた。建築士会連合会、建築業協会、日本建築構造技術者協会も現在、意見集約しており、来週中に国交省に意見書を提出する予定だ。
◆管理建築士権限・責任明確化を/日事連
日本建築士事務所協会連合会は、3項目の意見を提出した。一つ目は「管理建築士の権限・責任の明確化」。報告書案が具体的な施策を記載していない点を指摘。管理建築士に対する講習の受講歴を要件の一つとすることや開設者が管理建築士の意見を尊重する義務など、6つの要件などを挙げて報告書に盛り込むことを求めた。
2つ目が事務所の団体の加入義務化。「設計・監理業務を行う事務所の団体加入の義務化は、事務所の業務の適正化や消費者保護の観点からも必要で、状況を見て改めて検討すべき課題である」と明記することを求めた。
3つ目が「資格の専門分化」で、専門資格が一級建築士をベースとする点に反対している。建築士の役割は、「設計をとりまとめ・調整する者」として位置づけることを求めている。
◆統括する建築士の認定を/JIA
日本建築家協会(JIA)が強く提言しているのは「統括する建築士の認定」だ。5年程度の実績を積んだ建築士を統括能力、デザイン能力などで総合的に評価する。この場合、特定構造(設備)建築士は「特定統括建築士」(仮称)の認定を受けなければ統括する建築士にはなれない。
専門資格が一級建築士の体系の資格であることには反対。ダブルスタンダードで、「試験」と「実績審査」の2系統の手続きを経る過酷さ、消費者にとって「資格の重層化」である点で問題だとする。
建築主と設計者とが設計・監理契約を結ばないことによる建築紛争が多いことから、建築確認申請の提出書類に設計監理契約書の写しの添付義務付けも要望している。
報告書案が建築士資格を設計・監理業務を行う者に収れんさせていく方向には賛成の立場だ。
◆特定設備建築士大幅な不足懸念/設備6団体
設備6団体は、一級建築士の中で特定設備建築士に相当する者の数が、実際の業務に対し大幅に不足する懸念を示した。その上で「建築士法に定める建築設備士のうち、一定期間の実務経験と指定講習の受講や修了考査、設備CPD(継続能力開発)の履修条件を満たす者」に、特定設備建築士資格を付与するよう要望した。
同一資格としての認定が不可能な場合は、別途、法律を整備し、建築設備士で一定の実務経験、講習・修了考査、設備CPDの履修条件を満たす者に、特定設備建築士と同等の設備設計・工事監理業務の権限と責任を付与するよう求めた。
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