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前田建設 鹿島元幹部にも受注協力依頼 福島談合20061002朝日
福島県発注工事の談合事件で、準大手ゼネコン「前田建設工業」(東京都千代田区)の幹部が、同県が00年に発注した木戸ダム(同県楢葉町)建設工事の受注への協力を、大手ゼネコン「鹿島」(東京都港区)東北支店元幹部にも依頼していたことが、関係者の話でわかった。東京地検特捜部の調べに同様の供述をしている模様だ。特捜部は、佐藤栄佐久・同県前知事の実弟で「郡山三東スーツ」社長の佐藤祐二容疑者(63)らと談合組織トップの鹿島側が、最終的に受注調整していたとみて調べている。
前田建設工業幹部が、佐藤社長と江花亮・元県土木部長(70)にも木戸ダム受注への協力を依頼。受注後の01年、協力への謝礼として、関連会社とともに三東スーツに計4億円を融資し、その経緯を特捜部に供述していることが明らかになっている。
関係者によると、前田建設工業幹部が依頼していた鹿島東北支店元幹部は、93年に当時の宮城県知事や仙台市長が逮捕されたゼネコン汚職事件まで、東北地方のゼネコン談合組織の仕切り役を務めていた。
鹿島元幹部は汚職事件の影響で仕切り役から退いていたが、前田建設工業幹部から、木戸ダム建設工事の入札前に受注への協力を依頼され、鹿島東北支店側にその希望を伝えていたという。
鹿島が中心となったゼネコンの談合組織が木戸ダムの受注調整を行う中で、県発注工事に大きな発言力を持つ佐藤社長らがその調整に介入。前田建設工業を支援したために、最終的に同社が落札予定会社に選ばれたとみられている。00年8月の入札では、同社など3社の共同企業体が約206億円で落札した。
複数のゼネコン幹部によると、東北地方の公共工事を対象としたゼネコンの談合組織では、ゼネコン汚職事件を機に鹿島が仕切り役から手を引いた形になったという。
しかし、他の大手ゼネコンが受注額を伸ばす事態となり、危機感を覚えた鹿島東北支店が、90年代後半から積極的に談合に関与し、別の支店幹部が仕切り役に戻ったという。
この談合組織では、複数の社が受注希望した場合に調整が行われるが、決め手は発注者側の「天の声」とされる。仕切り役の鹿島東北支店元幹部がその「天の声」を聞く立場で、福島県発注工事では、佐藤社長の意見が県知事の意向を反映しているとみられ、最も重視されていたという。
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