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北朝鮮核実験 放射能漏れ確認なし 想定より小規模か20061010朝日
北朝鮮が実施を発表した地下核実験は、各国の観測によってかなり幅があるが、ほぼ包括的核実験禁止条約(CTBT)の想定ぎりぎりの比較的小規模な爆発だったとみられる。一方、日本では放射性物質(放射能)による健康への影響は、まず心配ないと考えられている。
世界各国からの核実験監視データを集約しているウィーンのCTBT機関準備委員会によると、今回の爆発による揺れの規模はマグニチュード(M)4.0(誤差0.3以内)。専門家によると、一般に揺れを招くのは実際の核爆発エネルギーの1%とされるため、M4.0ならTNT火薬換算で1.5キロトン(1500トン)に相当する。
ただ、韓国地質資源研究院の観測では揺れがM3.58〜3.7で、TNT火薬換算0.4〜0.8キロトン程度と解析。一方、ロシアは「同5〜15キロトン」(イワノフ副首相兼国防相)とし、日本の気象庁の観測による地震エネルギーM4.9を基にすると、同約30キロトンの爆発となり、かなり幅がある。
CTBTの監視網は、1キロトン程度以上の地下核実験探知を目指している。広島型原爆(濃縮ウラン型)の約15分の1、長崎型原爆(プルトニウム型)の約20分の1相当だ。これより小さい核爆弾は高度な製造技術が必要で、米ロなど核実験を重ね、大量に核兵器を保有する国にしか製造できないと考えられているためだ。
今回の爆発規模は、ほぼこの下限ぎりぎりだった。
また、核爆弾は100万分の1秒程度という瞬時に爆発しないと、連鎖反応がうまく続かず「未熟核爆発」になることがある。長崎原爆でも核反応を起こしたのは、6キロのプルトニウムのうち5〜6分の1程度だったという。韓国政府が公表した地震波では大きな波がいくつかに分かれ、「理想的な核爆発」とは考えにくい面もある。
一方、地下核実験は、封じ込めが不十分で地面にひび割れができたり、ふさいでいた穴が破れたりすると、外部に放射能が放出される可能性がある。9日夜の時点では放射能漏れは確認されていない。たとえ、漏れが生じた場合でも放射能量は大気圏内核実験の数百分の1から数万分の1程度。日本海の国境付近まででも、約500キロ離れている。「日本で健康に影響を及ぼすような放出は考えにくい」(文部科学省防災環境対策室)という。
政府は、本当に核実験だったか、また環境に影響がないか、放射能の監視強化を決めた。
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