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高砂熱学工業と産総研 建築設備に水素エネルギー利用可能 高効率な貯蔵媒体20061101建設工業
高砂熱学工業と産業技術総合研究所(産総研)は共同で、建築設備への水素エネルギー利用システム技術を確立した。水素をつくる水電解装置と、水素を蓄える水素吸蔵合金の最適化を図り、水素の生成とエネルギーの貯蔵機能を有する5キロワット級の電気・熱エネルギー供給システムの開発に成功した。エネルギー貯蔵密度が高い水素をエネルギーの貯蔵媒体としたことで、冷熱、温熱、電気など多様なエネルギーを取り出せる。省エネや設備の省スペース化が可能で、各装置の動力に太陽光発電など自然エネルギーを使うことで、災害時でも建物自体が自立化できる。今後水素の効率的な貯蔵方法などをさらに研究し、早期に実用化したい考えだ。
建築設備では、エネルギーを有効活用するため、現在水や氷などをエネルギー媒体とした水・氷蓄熱システムなどが活用されている。今回開発したシステムは、エネルギー貯蔵率が水の100倍、氷の20倍という水素をエネルギー媒体として使う。貯蔵率が高いため、省スペースで効率よくエネルギーを取り出せるほか、出力エネルギーも冷熱、温熱、電気、水素などの多目的利用が可能となる。
システムは、水電解装置、水素吸蔵合金(合金タンク)、燃料電池を組み合わせたもの。産総研が開発した水電解装置で水素をつくり、水素吸蔵合金(合金タンク)で水素を貯蔵する。水電解装置で発生する温熱と酸素、水素吸蔵合金から水素を放出する際に出される冷熱を吸収。貯蔵された水素は燃料電池で電気と温熱に変換される。両社が開発した同システムの数値解析モデルによる試算では、同システムを活用した場合のエネルギー収支(電力負荷平準化)は計算上89・0%になるという。ただ、現在の実証実験では62・5%までしか達しておらず、本年度中に75%まで改善したい方針だ。
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