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ビルの熱・電源に水素 高砂熱学など基礎技術開発20061103FujiSankei Business i.
高砂熱学工業と産業技術総合研究所(産総研)は、商業ビルや集合住宅などの熱源や電源を水素エネルギーで賄うシステムの基礎技術を確立した。今回、開発したのは、内部に特殊な配管を施した水素貯蔵タンクなどの設計技術。タンク内に充填(じゅうてん)されたニッケル系水素吸蔵合金で水素を貯蔵する。
水素貯蔵タンクを利用すると、従来の夜間電力などで水を温めたり冷やしたりする熱貯蔵に比べ、体積比で100倍の熱量を利用できるという。
発電の際には、燃料電池とタンクを接続し水素を供給。熱源として利用する場合は、水素が合金に吸収されたり、放出される際の発熱・吸熱エネルギーをタンク内の配管を流れる水で取り出す仕組みだ。水素は、夜間電力や自然エネルギーで水を分解してつくる。
燃料電池自動車の開発などに伴い、水素吸蔵技術は進んでいる。また、産総研などを中心に、水の電気分解で効率的に水素を取り出す技術もほぼ確立している。そうした中で、水素を吸収・放出する際の熱エネルギーを含めた建築物への利用例はほとんどなかった。
高砂熱学と産総研が行った実験では、5キロワット級の発電設備に匹敵する電力・熱量を供給できることが確認された。実用化されれば、二酸化炭素(CO2)などを一切排出しない、環境に優しい熱電供給が可能になる。
水素ガスの屋内貯蔵などには法的な安全規制が厳しく、水素吸蔵合金の価格が高いことなどが実用化の課題となっている。このため高砂熱学は、原油高や地球温暖化防止の観点から将来的に水素利用が加速するとみて、長期的に開発を続けていく考えだ。
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