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建築士CPD拡大 新資格限定に異議 DB発注に問題も 衆院国交委20061130建設通信
衆議院国土交通委員会は29日、宮本忠長日本建築士会連合会会長、仙田満日本建築家協会会長、本多昭一新建築家技術者集団全国代表幹事の3人を参考人として招き、建築士法等の一部を改正する法律案に対する意見や耐震強度偽装事件の再発防止策などをヒアリングした。参考人の3人は緊急的な対応としての改正案を評価する一方、「建築士のCPD(継続能力教育)を社会的にもっと広げるべき」(宮本会長)「構造、設備の新資格を一級建築士の枠に限定するのは問題」(仙田会長)「設計・施工一括発注に問題がある」(本多代表幹事)など、建築士をめぐる課題は解決されていないという厳しい指摘が多く出された。
改正案に対する評価について、宮本会長は「構造、設備の専門資格の創設や受験資格の見直しなどは非常に評価できる」と述べた。仙田会長は、能力のある建築士を絞り込むという面での新資格の創設は評価したが、一方で「構造、設備の新資格を一級の枠の中から認定するのは問題。アーキテクトとエンジニアは分けるべき」と主張した。
本多代表幹事は「改正案は不十分で、応急的なものと割り切るべき」と指摘し、「抜本的な解決をめざす場合には、環境、厚生労働、文部科学など関係省庁全体で取り組むべき。設計業務のダンピング(過度な安値受注)問題も含めて、やるのかやらないのかをはっきりさせるべき」と、行政の取り組み姿勢を厳しく問いただした。
耐震強度偽装事件の背景について3人は、設計・施工一括発注によるサービス設計の問題や、建築士の倫理観の欠如、過当競争による業務報酬の低下などの課題を指摘した。
設計・施工一括発注は、「施工のサービスとして設計しているケースもある」(仙田会長)、「一括で設計をサービス的にやると報酬が確保できなくなる」(本多代表幹事)など、設計の独立性を担保するために設計と施工の分離を求める意見が出された。
業務報酬については、宮本会長が「きちんとした仕事をするためには、それなりの報酬が必要」、仙田会長が「東京のある区では、告示1206号の基準の3分の1で設計業務を予算化している。告示が適切に運用されていないことが最大の問題」とそれぞれ課題を指摘した。建築士の倫理観向上に向けては、3人とも「大学などで倫理教育の機会を増やすべき」という意見で一致した。
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