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北九州のビジネスホテル 日本ERIを提訴 構造計算書偽造特集105 20060418日経アーキテクチュア
姉歯秀次元建築士による構造計算書の偽造があった北九州市内のビジネスホテル「アルクイン黒崎」を巡り、ホテルを経営する菅原不動産(同市八幡西区)は4月18日、建築確認した日本ERIを相手取り、1億2000万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こした。
アルクイン黒崎は2005年5月に開業。鉄筋コンクリート造で、地下1階・地上11階建て。JR黒崎駅前にある旧商業ビル跡地を開発したもので、同じ敷地にはこのホテルのほか、事務所ビル、駐車場ビルがある。菅原不動産や北九州市によると、この全体計画の総合設計管理業務などを醇建築まちづくり研究所、ホテルの設計・監理を平成設計、施工を木村建設が担当した。建築確認や検査は、日本ERIが行った。
訴状によると、菅原不動産は2004年6月、平成設計と設計・監理業務委託契約を締結し、同年8月に木村建設と工事請負契約を締結した。日本ERIへ確認申請する際、当初は塩見が作成した構造計算書を添付したが、平成設計によって延期。後日、平成設計が事業者に無断で、姉歯元建築士が作成した構造計算書に差し替えて提出した。日本ERIが同年10月に確認済書を交付したことを受け、11月に着工した。日本ERIは同年12月と2005年1月に中間検査を実施。2005年5月に完了検査を実施し、検査済証を交付した。
菅原不動産は、日本ERIは検査機関として設計図面と構造計算書を精査する義務があるにもかかわらず、これを怠ったために損害が生じたと主張している。具体的には、構造計算書の偽造や、杭の偏心が構造計算書で考慮されていないことを発見できなかったとした。「単純な偽装がなされており、電卓による検算、または数値を比較することで簡単に誤りを確認することができる」などと述べている。菅原不動産側が算定したホテルの損害額は、2億3441万円。内訳は、改修工事費1億2225万円、休業損害7216万円、慰謝料3000万円など。このうち1億2000万円を請求した。
提訴について、日本ERIは「訴状が届いていないので、コメントできない」としている。
アルクイン黒崎は保有水平耐力比の最小値が0.87だったことが判明し、2005年11月から休業していた。その後、菅原不動産は北九州市に改修計画書を提出。計画書の受理を受け、耐震強度が不足している1階部分で壁を耐震壁につくり替えるなどの補強工事を行った。補強工事の設計は醇建築まちづくり研究所、施工は竹中工務店が担当した。北九州市は4月17日、違反是正が完了したことを確認。アルクイン黒崎は4月18日に営業を再開した。
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