|
関電 CO2石炭層に封じ込め 本格実証試験 遊離メタンも燃料再利用 20060603FujiSankei Business i.
関西電力が、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を地中の石炭層に閉じ込める技術の開発に取り組んでいる。CO2の注入によって石炭から遊離したメタンガス(CH4)を回収し、燃料などとして再利用するという“一石二鳥”を狙ったプロジェクトだ。先月から大規模な注入試験を開始し、2007年度には事業化に向けた本格的な実証試験に着手する。
経済産業省・資源エネルギー庁のプロジェクトに関電グループの「環境総合テクノス」が事業主体として参加。02年度から北海道夕張市の「石狩炭田夕張南部」で基礎的な試験を実施してきた。
石炭にはCO2やメタンを吸着する特性がある。メタンよりもCO2の方がより吸着しやすいため、石炭層にCO2を注入すると、CO2が石炭に吸着する一方で、それまで吸着していたメタンが遊離する。この結果、CO2を地中に閉じ込めると同時に、石炭からメタンだけを回収することが可能になる。
日本には約275億トンの石炭層があり、約10億トンものCO2を封じ込めることができると試算されている。
これまでの試験では、1日当たり3トンのCO2を注入。地上にCO2がもれてこないことを確認すると同時に、300立方メートルのメタンを回収することに成功した。先月25日からは、注入量を5トンに拡大し、効率的に注入する技術やCO2の吸着をモニタリングする技術などを検証。06年度中に基礎的な研究、試験を終え、07年度から具体的な事業化を見すえた試験段階に入りたい考えだ。
関電ではCO2の閉じ込め技術に加え、火力発電所から排出されるCO2を分離・回収する技術についても、1990年から研究している。
特殊な吸収液を含んだ充填(じゅうてん)材の中を排ガスが通る過程でCO2が液体に吸収され、吸収液を加熱することで、CO2を分離・回収する仕組み。大阪市住之江区の南港発電所に試験プラントを建設し試験を繰り返し、吸収液の改良などで、排出されるCO2の90%以上を回収できるようになった。
回収したCO2は、国内外の肥料工場で原料の尿素を製造する過程で再利用されている。
現在、石炭層に封じ込めるCO2は試験用として別途購入しているが、将来的には、排ガスから分離・回収したCO2を使い、一貫したシステムとして確立していきたい考えだ。
関電では、CO2の排出量そのものを「減らす」だけでなく、「集める」「閉じ込める」を3本柱に位置づけ、地球温暖化防止対策に取り組んでいる。
|