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有資格者を確保する努力はみられない 名義貸し実態調査結果その5 20060609日経アーキテクチュア
名義を借りた理由の調査結果に目を向けると、資格に依存する建設産業の構造が改めて浮き彫りになる。名義を借りた経験を持つ回答者が28人と少なかったので、すべての回答を集計して分析した。その結果、名義を借りた最大の理由は、「工事や業務を受注したり進めたりするため」という回答が最も多く、46.4%を占めた。
資格の名義を借りた理由
※「名義を借りている」「過去に名義を借りたことがある」「経験はないものの周囲に名義を借りている人や借りていた人がいる」のいずれかを選んだ28人に、選択肢のなかから三つまで選んでもらった結果に基づく。「有資格者を求人したが集まらなかった」という選択肢を選んだ人はいなかった
「工事や業務を受注したり進めたりするため」という理由として、まず浮かび上がるのは、公共事業での入札やプロポーザル選定の参加資格になっている点だ。例えば、土木工事に伴う建設コンサルタント業務などでは、技術士の資格が求められる。現場での施工管理には、施工管理技士などの有資格者を選任で配置しなければならない。民間の建築工事でも、確認申請の際に監理建築士が求められるために、建築士に名義だけを借りる行為が横行しているという指摘は少なくない。
名義を借りた理由として2番目に多かったのが「会社や営業所を開設するため」という回答で、35.7%を占めた。回答を寄せた名義貸しの経験者からは、「会社からの命令で関連会社を設立するために、やむなく名義貸しをした」とする証言もあった。
一方、名義を借りた経験を持つ回答者のうち、「有資格者を求人したが集まらなかった」という選択肢を選んだ回答者は1人もいなかった。有資格者がいなければ「名義を借りてしまえばいい」とする安易な風潮が蔓延している状況もうかがえる。
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