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鹿島 NTT都市開発など 壁面・屋上緑化の新技術20060902FujiSankei Business i.
建物の壁面や屋上を緑化する新技術の開発が相次いでいる。鹿島は、高層ビルなど高所の壁面を緑化しても安全に管理できる壁面緑化工法を開発、実用化した。また、NTTグループのNTT都市開発とNTTファシリティーズは、ビルの屋上をサツマイモで緑化するユニークな栽培システムを開発、来年から販売に乗り出す。屋上や壁面の緑化は、ヒートアイランド現象を和らげることから注目を集め、導入する動きが広がりつつあることから、今後、普及拡大に向けた技術開発も活発化しそうだ。
鹿島の壁面緑化工法は「バーティカル・グリーン・システム」と呼び、室外に設置したキャットウォークの下にプランターを組み込み、面状の格子にツタなどのツル植物をはわせて緑化する。
植物の維持管理の作業は、面状格子の内側に設置されたキャットウォークから行えるため、高所作業車などは必要なく、高層ビルでも安全、容易に管理を行える。
また、従来の壁面緑化は建物の外から見た意匠性を重視していたが、新システムは室内側からの景観も考慮した。
採光を過度に妨げないような数十種類の植物の中から選択できる。
潅水工事までを含めた施工コストは、従来システムが1平方メートル当たり13万〜20万円だったのに対し、10万円に抑えた。
鹿島は、新システムを東京・神田神保町の日本工業大学神田キャンパスの壁面に適用した。同社は今後、ビルの外壁だけでなく、道路の防音壁などの分野にも同システムの採用を提案していく。
壁面緑化工法には、昔から行われている壁面にツタをはわせるタイプのほか、近年開発されたパネル状の基盤を取り付けるタイプ、ステンレスメッシュにプランターを組み合わせたタイプなどがある。いずれのタイプも、導入できる植物が限定され、維持管理の作業性、施工コストなどに課題を抱えていた。
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NTT都市開発とNTTファシリティーズは、都内の実証実験でサツマイモ栽培による周辺温度の上昇抑制効果を確認、今後、コスト低減を進め、来年から栽培システムの販売を始める。
サツマイモは土に植えず、肥料を水に溶かした溶液入りの水槽で育てる。植え付けから約3カ月後の茂った葉からの水の蒸発量は芝生の約1・5倍に上るという。
水は蒸発時に周囲から熱を吸収するため、芝生より大きな温度抑制効果が期待できる計算だ。秋には収穫も可能で、サツマイモには、ヒートアイランド現象防止と収穫という“一石二鳥”の効果がある。
簡易な栽培システムのため、屋上緑化があまり進んでいない既存ビルでも導入が容易としている。導入費用は芝生より安い1平方メートル当たり2万円以下を目指す。
これまでの実証実験で、サツマイモによる屋上緑化は芝に比べ蒸散量で約1・5倍であることを確認した。また、温度面では、緑化されていない無処理区の屋上表面温度は最大55度だったのに対し、サツマイモ緑化区では最大30度と、最高で約25度の差を測定、高い遮熱効果も確認している。
両社は、実証実験の最終結果を、11月のサツマイモ収穫後に公表する予定だ。
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