社会人(建設業社員)としての基礎知識

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**ニッコン e-建設経営通信 【第217号】**

■ Question 1

当社は同一発注者から2500万円と3000万円の工事2件受注しました。
ところが、発注者の担当者から「2件の工事は近接工事なので、現場代理人及び主任技術者は2件とも兼務しても良い」という指示がありました。
この場合、建設業法上の問題はあるのでしょうか。
さらに発注者からは兼務した場合は、2件の工事に係わる諸経費は合算され、請負工事費は結果として単純合計した場合より減額とされることになっています。

■ Answer 1

1 まず、現場代理人と主任技術者の問題を分けて考える必要があります。
現場代理人は、発注者と元請間の請負契約上の問題であり、主任技術者はまずは建設業法上の問題だからです。

2 現場代理人について、発注者が二つの工事の現場代理人を兼務して良いということは、近接工事の有無とは関係ありません。
通常の請負契約書では現場代理人は施工現場に「常駐するもの」と定められていますから、その点は発注者が兼任を認めているのであれば、特記仕様書等で兼任できることを明確にしておくだけです。

3 主任技術者の配置については、工事規模などからみて、照会のあったとおり、本件工事は主任技術者の配置で足ります。
そこで、受注額が1件2500万円以上であれば、建設業法26条3項に基づき「専任制」が求められています。
照会のあった工事の受注金額は2500万円及び3000万円ですから、いずれもこの専任義務が課されます。

3 しかし、建設業法施行令27条2項では、「密接に関係がある2以上の工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理をすることができる。」と定められています。
照会のあった中で、発注者の担当者はこの点を踏まえて兼任できるという見解を示しているものと思われます。

4 この場合、発注者の担当者が兼任を認めたからといって建設業違反には当たらなくなるという性質のものではないですから、元請側としても一応の検討は必要と思われます。
近接工事が否かの判断に迷う場合は、建設業担当部局に問い合わせてみてください。

5 いずれにしても、今後は発注者側が施工経費節減のため、照会のあったような発注方式が実施されることは十分考えられますので、現場代理人と主任技術者の法的相違を良く理解された上で対応することが重要です。

■ Question 2

最近、公共工事での総合評価方式による入札が増えてきているように感じています。
当社の周りでも「受注できたけれども施工計画についてコストアップ要因になることを書きすぎて思うようには利益がでない」という話しを聞きます。
なにか良い対応の仕方はないものでしょうか?

■ Answer 2

 ご質問の背景には、平成17年4月に施行された「公共事業の品質確保の促進に関する法律(品確法)」があります。
特に平成18年4月の「官房長通達」はインパクトがあったと思います。
趣旨は「平成18年度には金額ベースで8割超まで拡大に前倒し、工事件数では5割以上とする。また、一般競争入札を予定価格2億円以上に拡大する一方、2億円未満の工事に対しても積極的に試行する」というものです。

 本来の意図は過度な価格競争を回避して予定した品質を期待しようとするものです。
しかし、現実にはこれまで加算点部分に関するウエイトが10%程度(簡易型)であるためにコストを犠牲にして応札することで1番札(落札)になるケースが多いようです。
今後この部分は改革が進められるとは思いますが、我々としては技術提案とコストづくりを併せて管理していく活動をつくりこむ必要があります。

 地域建設会社では、公共(建築・土木)工事における受注活動について、営業活動で見込み管理が秘匿されており工事部門との連携ができていないことが多いようです。
これまでは「受注できれば利益が出た」ということだと思います。
たぶん5〜6年前はそれでも良かったのでしょう。

民間では10年前から買い手市場でダンピングはあたりまえです。
そのために受注前に必死でコストづくりを行っています。

コストを作るためには営業段階から積算、設計、購買、工事の各責任者が対象案件の利益目標をかかげて改善に取り組んでいく活動です。
公共市場においても過去の営業スタイルから抜け出して狙い案件を明確にして受注管理していかなくてはいけないと思います。
そのためには営業段階から工事、購買などの各部門との情報が共有できる仕組みを作って欲しいです。

 そして、「施工計画に関する所見」等の課題作成を工事部長、積算課長、ベテラン現場代理人一人に押し付けるのではなく「受注前施工検討会」等を開くことが重要です。
会議で周知を集め組織で対応していく業務フローを作り、且つそれを運営できるか否かでコスト対応力にも差がついていくはずです。

**ニッコン e-建設経営通信 【第216号】**

■ Question 1

 昨年12月8日に公表された「緊急公共工事品質確保対策」に基づいて同日付けで通知された「施工方法確認型総合評価方式の試行について」と、同日付けの「低入札価格調査制度対象工事に係る特別重点調査の試行について」に盛り込まれている特別重点調査の実施対象基準は同じなのでしょうか。
 それとも違っているのでしょうか。

■ Answer 1

 確かに両方の通知には、同じように次の基準が定められています。

  直接工事費75%    共通仮設費70%
  現場管理費60%  一般管理費等30%

しかし、施工方法確認型総合評価方式の試行では、これらの率を乗じた合計額と低入札価格入札とを比較して(つまり総額で)下回った場合に、施工体制が確保されるか確認して、確認できれば加点されます。

 つまり、上記の基準は、施工方法確認型総合評価方式の審査の一環なのです。
これに対して、低入札価格調査制度対象工事の試行の場合は、2億円以上の発注工事において低入札価格調査制度対象工事となって工事であって、上記の価格の4つの費目の一つでも、これらの基準を下回ったら特別重点調査を実施する仕組みになっています。

 このように両者はどちらも低価格入札対策である点では同じですが、仕組みは大きく異なっています。

■ Question 2

 原価管理に3年間も取り組んできたのですがうまくいっていません。
最近は部長のハッパも効果がなく、利益が出ないばかりか現場担当者の能力や意識に対しても疑問が生じます。
どうしていけばよいのでしょうか。

■ Answer 2

 原価の本質的な管理(コストマネジメント)の目的は、現場生産活動のなかで会社の目標とする成果創出を実現し、将来にわたり顧客満足を得ながら自社能力の向上を果たそうとするものです。

この「企業にとっての命題」は言葉の上では誰もが理解しているのですが、実際の仕事面ではなかなか活動結果が成果に結びつかないという難しさがあります。
特に個別・現地・有期の生産活動においては、労働集約型の実務で実行していくとき、生産現場における個別事情が優先されがちです。
旧来型の業務システムでは担当者という「人」に頼った形式をとってきました。
単品あたりの生産活動では、そこの中で生じるやり方や成果のばらつきを防ぐ手段としてはそれも1つだったのでしょうが、今われわれが直面する課題は複雑であり、対象は多岐にわたるものです。

つまり、コストダウンは個別の現場や部門の活動で実現できるほど単純なものでなく、会社全体で全力を投入しないと実現できないものであることを再確認する必要があるのです。
それには当然、今までの役割分担、活動範囲だけでは対応・解決できない領域を知ることから始めなければなりません。

現状では組織はものづくりにおいて、期間内に生産の活動を完了し顧客に構造物を引き渡すことを最優先課題としてきました。

仕事量が増大する局面では、生産性を高めるより投入資源を増大することで対応してきたため組織が肥大化し、下請業者を含め高コスト体質になってしまいました。

今後生産性を上げ、質の高い活動に転換していくには、仕事を仕事そのもので見るのではなく組織機能(機能=役割や働き、実現する対象をさす)を実現するためのひとつの手段と考え、それを改めて役割分担しながら働きの隙間やレベルの不揃いをなくしていこうとすることが必要となってきます。

それでは仕事の恣意性を排除する組織形態はどんなものであるでしょう。
一人の担当者が、お客様に見積を出し、請負金額を決め、利益金額を設定し、予算を立てる一方で、外注や現場運営などの活動管理をし、支出を実行した上で決算を立てるとします。
すると自己判断の中で実行可能なものを前提として考えてしまい、目標のレベル設定が低くなる恐れがあります。
これでは到底質の高い仕事の実現には至りません。

必要なことは、コストマネジメントの理念を理解するだけでなく、これを継続的に実行していくための、組織機構を明確化することと、管理全体を統括する役割を持った人を配置することなのです。

原価管理に対し旧来は、工事現場において行うものだと理解している企業が多く見られましたが、実際には現場任せで実現するものでは決してありません。

**ニッコン e-建設経営通信 【第215号】**

■ Question 1

当社はこれまで、行政側の指導のもとに起工測量、交通整理業務などを外部に委託するときは、下請負契約をして施工体制台帳を作成しておりました。

しかし、最近受注した公共工事において、施工に伴い実施することとなったコンクリート非破壊試験を外注したところ、発注者から非破壊検査は直接工事費に含まれる費目ではないので、一括下請負の承認及び施工体制台帳の作成には該当しない(起工測量、交通整理業務も同様である)と言われました。

非破壊検査が直接工事費に該当しないものとしても、間接工事費にある指定仮設の一括外注などは、建設業法上の一括下請負の禁止や施工体制台帳への記載義務はあると思うのですが、どのように理解して対応すればよいのでしょうか。

■ Answer 1

照会の内容には二つの論点があり、一つは施工体制台帳へ記載すべき工事とは何か、もう一つは一括下請負の禁止に関するものです。
いずれにしても「建設工事」とは何かという問題なのです。
 
 建設業法24条の7 第1項に基づき作成される施工体制台帳に記載する必要があるのは、建設工事」の下請契約の限られます。
この点は、照会された方も理解されているように、法22条で禁止している一括下請負の対象となる「建設工事」と同様です。

 ではこの「建設工事」にはどのようなものが含まれるかということですが、基本的には法24条に規定されているように、相当幅広く解することになっています(つまり、建設工事請負契約という名称のものだけでなく、その内容によっては、売買契約であっても、リース契約の名称であっても、建設業法上の「建設工事」の請負に該当することがあり得るということです)。
この点を踏まえて、個別に検討します。

1. 起工測量、交通整理業務、非破壊試験の外注
 これらの業務については、基本的には建設工事の請負契約に該当しないものと思われます。
しかし、実際の契約内容及び作業の内容を契約ごとに判断する必要もありますから、疑問がある場合には、貴社の建設業許可行政庁などに契約書を示して、具体的に問い合わせてみてください。
ただし、照会にありましたように、これらは直接工事費に分類されない業務だから、台帳記入の必要がないのではなく、そもそも「請負工事」に該当しないために台帳記載を要しないとされているものです。
なお、工事現場の「警備業務」については、その重要性を考慮して、請負工事には該当しないものの施工体制台帳に記載するよう別途要請している公共工事発注者が見受けられます(例えば、国土交通省直轄工事)。
このような場合は、特記仕様書、現場説明書などで特に明示しています。

2. 指定仮設の外注
指定仮設は、積算上間接工事費に含まれていますが、工事の完成に不可欠な工事であり、現に「とび・土工・コンクリート」という業種もあるところですから、仮設工事発注は「建設工事」に該当します。

■ Question 2

前回、ISO9001の「6.2.2 力量、認識及び教育・訓練」にもとづいた若手技術者の育成について解説しましたが、他の要求事項でさらに教育訓練できるものがあれば教えて下さい。

■ Answer 2

ISOを現場内で定着化させるためにはISOがルーチンワークとして機能していなければなりません。
ISOを機能化させることは簡単なようで案外難しいという意見を多く耳にします。
それは中堅・中小建設業の場合、現場の施工管理業務とISOを別物として考えている現場代理人が多いからでしょう。

 現場内でISO活動をふまえた教育訓練を行うには、まず、指導者自身がISOの目的及び内容をきちんと理解していなくてはいけません。
工事管理職の中には、自分に関係のない規定や要領書には目を通さない人がいたりしますが、このようなことでは管理職失格です。

ISOは全体的なシステムであり、工事も営業も管理部門も有機的につながっているので、まったく関係無いものはないはずです。
また、部下や後輩、および作業員にISOを指導するときには、ISOの要求していることや記録をとることの意味を十分に伝えることが重要です。

 以下、現場においてISOを有効活用し、OJT指導にもつながるポイントを要求事項ごとに解説します。

(1)6.4 作業環境
 ISOでは作業環境を物理的、社会的、心理的および環境的要因を含めた作業が行われる場の条件の集まりとしています。
OJTの場合、労働安全衛生に関する全般的な指導機会として活用すべきであると考えます。

(2)7.1 製品実現の計画
 ISO上の施工プロセスを管理するための施工品質計画書を作成するにあたり、その作成過程の中でOJTを行う場面は多々あります。
特に施工検討会を実施している企業の場合、検討会において設計図書の内容および現場踏査の結果をふまえた施工品質計画書の作成を指導することがきわめて重要となります。

(4)7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー
 現場は必ずしも発注者の設計書どおりの状態であるとは限りません。
「図面と現況が異なる」「設計数量が実際と違う」などの相違は起こりうることであるので、現場踏査の段階からそのような相違点を確認することをOJT指導しなければなりません。

(5)8.2.1 顧客満足
 ISO9001 2000年規格では顧客要求事項を満足しているかどうかという点について、顧客がどのような受け止め方をしているか、その情報を監視することを求められています。
発注者による竣工検査での指摘事項を満足度のバロメータとしてOJT指導したいところです。

(6)8.2.2 内部監査
 内部監査を単に監査として実施するのではなく、OJTの機会として捉え、形式に流れずに指導・育成の場面として活用していくことが重要です。

(7)8.2.4 製品の監視及び測定
 施工プロジェクト内での各種の検査・試験がこれにあたり、適切な段階でのOJTの実施が重要となります。
これは検査・試験実施後に指導者が事の善し悪しを教えても遅いからです。

(8)8.5.3 予防処置
 現場内での想定される不適合に対する予防処置の立案から実施に向けての方法論をOJT指導していきます。
どのような現場でも最低1つは実施すべきです。

**ニッコン e-建設経営通信 【第214号】**

■ Question 1

 公共工事における入札方式として従来から公募型指名競争入札方式というものがあります。
最近の改正通達では、工事希望型競争入札は明記されていましたが、公募型指名競争入札方式は削除されていました。
公募型指名競争入札方式は廃止されたのでしょうか。

■ Answer 1

照会のあった最近の改正通達とは、平成18年10月23日付けの「工事における入札及び契約の過程並びに契約の内容等に係る情報の公表について」の一部改正を指しています。
確かに、この改正通達をみると情報公表の対象として、従来の「公募型指名競争入札方式又は工事希望型指名競争入札方式」を「工事希望型競争入札方式」を対象とするように改正されています。

この点からみると、公募型指名競争入札方式は廃止されたように見えますが、その廃止通達はありませんし、現在も公募型指名競争入札方式は有効とされています。

 それではなぜ、このような取扱いになったかについては、まず、一般競争入札方式の適用が拡大されたことよることが大きく影響しています。
平成18年3月31日までは、公募型指名競争入札方式は「工事規模が概ね2億円以上7億3千万円」の工事について適用されていました。

しかし、平成17年10月7日付け「一般競争入札方式の拡大について」において、平成18年4月1日以降は、工事規模が2億円以上についても、一般競争入札方式を適用することになりました。

一方、工事規模2億円未満の工事については、従来から、「工事希望型指名競争入札方式(平成17年107日以降工事希望型競争入札方式に改正されています)」が実施されていました。そこで、国土交通省は、公募型指名競争入札の適用範囲を更に引き下げるのではなく、一般競争入札と工事希望型競争入札との2種類にし、そのうえで、工事希望型競争入札であっても特殊な施工技術を要する工事などでは、公募型指名競争入札方式によっても差し支えないとする、取扱いにしたのです(平成17年10月7日付け「工事希望型競争入札方式の手続について」(経過措置)参照。

つまり、公募型指名競争入札方式は、工事希望型競争入札方式のいわば補完的立場で生き残っているといえます。

■ Question 2

ISO9001が最近マンネリ化しているため、今後若手技術者育成のために活用したいと考えております。
現在ISO上の教育訓練は労働安全教育程度しか取り上げておりませんが、もう少し有効な方法を教えて下さい。

■ Answer 2

教育訓練は大きく分けて、(1)OFJT(集合教育) (2)OJT(職場内教育)(3)SD(自己啓発)の3種類に分かれますが、ISO9001:2000の要求事項の中では教育・訓練の要求事項としてOJTの点で考慮すべき事項が多くあります。

「6.2.2 力量、認識及び教育・訓練」にもとづき以下解説すると、
a)製品品質に影響がある仕事に従事する要員に必要な力量を明確にする。

現場代理人などの技術者の能力要件を明確化しなければなりません。
これは施工管理技士などの資格を保持していることは言うまでもなく、作業所の総責任者としての品質、原価、工程、安全などに対する技術・知識・経験を有していることを証明するための能力要件(力量)を持っていなければならないことになります。
力量を明確化する目的で現場代理人として自社の一人前の基準を設けて教育することが有効と思われます。

b)必要な力量が持てるように教育・訓練し、又は他の処置をとる。

上記の必要な力量が持てるようになるためにはOJTも含めて教育・訓練計画の中に落とし込む必要があります。
特に部門別教育・訓練計画は可能であれば個人別に落とし込むことが望ましいです。

c)教育・訓練又は他の処置の有効性を評価する。

OJTの中で難しいのは現場技術者の能力要件を客観的に評価することです。
「A君は躯体については理解しているが仕上げや設備についてはもう少しだ・・・。」などの技術的な評価を客観的な評価結果(チェックシートなど)にもとづいて指導対象者(現場技術者)よりフィードバックし、技術者の能力向上の機会とすることが重要です。
OFJT(集合研修)の場合についても同様に客観的な評価結果が求められます。

d)組織の要員が、自らの活動の持つ意味と重要性を認識し、品質目標の達成に向けて自らどのように貢献できるかを認識することを確実にする。

ISOでは全社の年度品質目標を部門目標にブレイクダウン(下位目標への落とし込み)することを要求しています。
通常、部門目標はさらにプロジェクト目標へとブレイクダウンされていきます。
ここでは現場代理人が単にプロジェクト目標を達成するだけではなく、部門目標を個人の技術アップレベルまでブレイクダウンすることが望まれます。
例として、従来下水道工事しか担当したことが無かった技術者が初めて橋梁などのコンクリート構造物を担当することになった場合、知識・経験の不足を補う管理ポイントを目標の中で指導したり、または前回の工事で失敗をした際に同種の工事を再度担当する際には同じミスを起こさない工夫を目標設定させるなどがあります。

e)教育・訓練、技能及び経験について該当する記録を維持する(4.2.4参照)

ISO上はOFJTの訓練記録のみを記録する場合が多い。
ここではOJTも含めて訓練記録を取り、それをOJTカルテとして残していくことをお勧めします。
OJTカルテは各技術者の個人別に工事履歴や取得資格、上記c)の評価結果を記載し、技術者の担当上司が現場の異動にともない替わっても、カルテにもとづき本人のレベルや技術的な不足点を補う形で指導できるようにします。

**ニッコン e-建設経営通信 【第213号】**

■ Question 1

 建設工事共同企業体で50:30:20の比率により民間工事を受注し、当社は2番手
で30%の出資比率でした。
ところが、施工後のJV運営委員会の協議が進むにつれて、この現場は大幅な赤字
工事であることが明らかになってきました。
そのため、当社は企業体の脱退を考えましたが、発注者等との関係でそのような措
置をとることは断念し、代わりにスポンサー会社と協議し、持分を30%から1%へ
変更してもらうこととしました。
この出資比率変更に当たっては、協定書上の割合は変更せず、構成員間での施工
協力協定書において、出資比率を変更したものです。
 このような変更は、なにか問題があるのでしょうか。

■ Answer 1

 発注者の承認を得ているJV協定書第8条の出資比率を構成員間の施工協力協
定で出資比率を実質的には変更することは、発注者とJVとの請負契約書に「請
負者がJVを結成している場合には、請負者は、別紙○○共同企業体協定書によ
り契約書記載の工事を共同連帯して請け負う。」とされている規定に明確に違反
しています。
 さらに、このような処理方法は、税法上の問題を引き起こすおそれありと指摘
されているところです。

■ Question 2

金融機関から年間完成工事高の約半額の長期借入金がある土木会社です。
ここ10年程度しっかり返済していますが、最近、頻繁に「今後の受注見込み一
覧表と全ての実行予算書を提出して下さい」と言われるようになりました。
当社の信頼度が低くなったのでしょうか。

■ Answer 2

信頼度が低くなったというよりも、(借金返済の裏付け)確実性を求められてい
ると思われます。

公共投資が大幅に削減されていることは、金融機関も周知のことです。
加えて、金融機関に対する金融庁の監査も厳しくなっているようです。
金融機関は、今後受注がどれだけ見込めるかを「受注見込み一覧表」で押さえ、
「実行予算書」でコスト(粗利)を押さえます。
これにもう一つ、「月次試算表」が加われば数字は殆ど分ります。
常日頃から金融機関と友好的にお付き合いしていれば、そんなに目くじらを立て
ることはありませんが、受注確保のための策だけは戦略として持っていなければ
なりません。
「見込みが一つもありません」では企業としての存続も危うくなります。
上記3資料に、戦略を明確にした中期経営計画書(3〜5年程度)があれば金融
機関も安心すると思います。

蛇足ですが、財務情報に関しては、隠したがる傾向にあるようですので、そうい
う企業は良い機会ですので情報をオープンにして、金融機関の指導を仰いでいく
ことをお薦めします。
但し、情報をオープンするにあたってはご担当会計士にしっかり相談・打ち合わ
せすることをお忘れなく。

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