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臨海の工場立地急増 4分野中心 バブル期ピークに迫る20071107FujiSankei Business i.
自動車をはじめとする4分野の製造業を中心に、全国の臨海部で工場立地が急増している。国土交通省の調査では、バブル崩壊以来低迷してきた4分野の立地面積は2005年に約500ヘクタールと、平成に入ってから05年まで17年間でピークだった1989年の約760ヘクタールに迫る水準まで急回復している。
臨海部に立地している産業のほとんどは、自動車や機械など「加工組み立て型」のほか、紙・パルプや食品加工など「地方資源型」、鉄鋼など「基礎素材型」、衣服など「雑貨型」の4分野の業種が占めている。
内陸部を含めた全国の工場立地はこの10年来、おおむね年間1000ヘクタール台で推移してきたが、近年の景気回復を受け、05年は前年比3割以上増加の約2000ヘクタールまで急増。このうち臨海部の割合は景気低迷期の10%前後から04年20%、05年24%と2年間で急速に高まっているのが特徴だ。
三島川之江港(愛媛県四国中央市)は製紙工場の増設、常陸那珂港(茨城県ひたちなか市)は建設機械工場の進出など、設備投資や雇用増を通じ地域経済の底上げにつながっている。
その半面、工場用地に隣接する港湾施設の能力不足が目立ち始め、国交省は「貨物量の増大に対応できなければ、今後の誘致の足かせになりかねない」として、港湾に大型貨物船が接岸できるように能力増強を進める方針。
民間企業に岸壁の運営を委託したり、物流施設が立地するエリアを大型車両が通行できるようにしたりするなど、運営を効率化する規制緩和も来年度から本格化させる。
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■用地確保が課題 地方港国際化対応も
臨海部への企業進出は地域経済にとって朗報だが、「整備が進んだ港湾周辺には、新たに工場を誘致できる広い土地がなくなってきた」(国土交通省港湾局)といわれ、用地確保が地元自治体などの課題になっている。
工場の立地先は、大型機械など輸出関連製品のメーカーを中心に、海外の大型貨物船が接岸できる国際ターミナルなどを備えた港湾で目立つ。
その1つ、石川県の金沢港では自動車用プレス装置の工場などの立地が相次いでいる。しかし「港の隣接地に、工場用地はほとんど残っていない」(石川県)。そこで好調な企業誘致を持続するため、県と市が付近の保安林地帯約11ヘクタールを工業用地に造成している。
常陸那珂港なども既存用地は「満杯状態」(国交省)という。
地方港では、経済活動の国際化への対応も必要になっている。自動車出荷などで2006年に取扱高が381万トンと04年の5倍以上に膨らんだ大分県の中津港には先月、輸出用自動車を積む外航船が初寄港。ところが中津では関税法上、入管手続きができないため、いったん大分港で手続きをしなければ入港できず、余計な手間がかかった。
大分県は「中津も輸出拠点として入管手続きができるようにしてほしい」と国に要請中だ。
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