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鹿島 床の微振動を大幅低減 長スパン建物や精密工場向け、揺れ打ち消すシステム開発20070405建設工業
鹿島は、人が歩く重みで生じる床の揺れを抑える新たな振動制御システムを開発した。床が揺れた瞬間に、床下に設置した加振機が揺れを打ち消す微振動を返し、床の揺れを抑える仕組み。最近は設計の自由度を高めるために梁と梁の間に距離をとる建物が増えているが、スパンが長くなると床のたわみも大きく、揺れが激しくなるという課題がある。同社は今後、長スパンのオフィスビルや集合住宅をはじめ、微振動を嫌う半導体などの精密機器工場などに向けて積極的に提案する。
新たなシステムは、揺れを感知するセンサー、振動を打ち消すプログラムソフトを組み込んだコントローラー、揺れを抑える微振動を発生させるアクチュエーター(加振機)で構成し、床スラブの下に取り付けるだけで機能を発揮する。コントローラーは1秒間に1万回の計算を行う機能を有し、センサーが感知した振動の情報を瞬時に解析。アクチュエーターに揺れを打ち消す最適な振動を伝え、アクチュエーターが動いて制振する。床の微振動を2分の1〜5分の1に低減できる。
最近は梁と梁の間の距離(スパン)を長くし、多様な居住者ニーズに対応できる柔軟性の高い室内空間を実現する建物が増えているが、スパンが長くなれば長くなるほど床がたわみ、揺れが起こりやすいという課題があった。従来は床の微振動を抑えようとする場合、コンクリートの打設量を増やして床の厚みを増したり、鉄筋を増やしたりするため、コストがかかったが、同システムは床下に組み込むだけでよく、低コストで揺れを抑えられる。
同社が実験で使ったアクチュエーターは、自動車メーカーなどの研究所で加振実験に使われている市販の製品で、加振力レベル50KGF(キログラム/フォース)の小型加振機。1スパンが100平方メートル規模の床に1台を設置するだけで微振動を抑えられるという。市販の製品を自由に組み合わせてシステムを構成できるため、顧客の価格ニーズに対応したシステムの供給が可能。建築分野だけでなく、高速道路や歩道橋の高架の揺れを抑えることなどにも技術を応用できる。
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