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松岡農相自殺 疑惑大臣説明なく 談合事件地元飛び火の直後20070529東京新聞
豊富な資金力で永田町の階段を駆け上がり、「政治とカネ」をめぐる問題が常に取りざたされた松岡利勝農相(62)。緑資源機構の官製談合事件で、地元の熊本県に疑惑が飛び火した最中の28日、突然命を絶った。地元では「農相に捜査が及ぶかもしれない」とささやかれていた。大物農水族として大きな影響力を持ち、選挙区への利益誘導が批判を浴びることも。終戦時を除いて現職閣僚初という自殺の一報は、永田町を駆けめぐり、全国に衝撃を与えた。
松岡農相は東京・赤坂の議員宿舎に遺書を残していたが、全容は明らかになっておらず、自殺の原因は不明だ。ただ、国会の追及には強気の答弁を続けてきただけに、死の直前に発覚した地元・熊本での談合疑惑が、自殺の引き金になった可能性がある。
今年1月に発覚した事務所費問題では、野党から「使途を明らかにしろ」と再三追及され、農相は「調べて報告する」と答弁。しかし、その後は一転して「適切に報告している。それ以上の報告は現行制度が求めていない」と繰り返してきた。
緑資源機構の官製談合事件でも、最近まで強気の受け答えをしてきた。
今月8日の参院での質疑で、林道事業に関連した8つの政治団体から約1億3000万円の献金があると追及されたが、「法律で認められた範囲だ」と質問者をにらみつけて一蹴(いっしゅう)。東京新聞の取材には「調べてみないと分からないなあ」と余裕さえのぞかせた。
24日に機構元理事らが東京地検特捜部に逮捕された際も、「一刻も早く国民の信頼回復を図る」との談話を発表。落胆した様子はなかった。
ところが翌日、捜査が急展開した。機構が熊本県などで進める農地・森林整備事業で、新たな談合疑惑が浮上し、特捜部は農相の地元などを“急襲”。熊本県小国町の機構建設事務所や、九州地方を管轄する宮崎地方建設部を捜索した。
この疑惑では、農相に近い複数の業者が談合の中心的役割を果たしているとされ、特捜部の捜索の狙いもこれらの企業に重点が置かれたという。
「追い込まれると弱気な顔ものぞく」(地元関係者)という農相。機構を管轄する立場から特捜部の捜索状況をいち早く把握、自分に検察の目がむいていることを感じた可能性は十分ある。疑惑がふくらむほど、7月の参院選で自民党にも大きなマイナスとなる。
東京地検のある幹部は「農相や秘書を捜査していたことはなく、こちらとしては全く心当たりがない」と話した。
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