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入札辞退で不調相次ぐ 都発注の建築工事20070612建通新聞
都営住宅の建て替え工事など東京都発注の建築工事で、指名業者の入札辞退が増加し、結果として「不調」となるケースが相次いでいる。6月11日、財務局が行った建築工事の入札6件でも辞退が多く見られ、応札した業者数はいずれも3者以下。昨年度に不調となり本年度に繰り越された都営住宅の建て替え工事2件はいずれも落札者が決まったが、消防署出張所の新築工事では指名10者すべてが入札を辞退して不調になってしまった。
2006年度に財務局が入札を執行した建築工事107件のうち、不調になった案件は14件。不調にならなくても指名後に入札を「辞退」したり、参加を見合わせる業者が相次ぐケースも多く見られている。
不調になった案件の中でも、例年、第4四半期に発注が集中する都営住宅の関連工事が8件を占める。11日に開札した「都営住宅18H−114東(大田区鵜の木三丁目)工事その2」と「都営住宅18H−112東(足立区扇二丁目)工事その2」の2件は、07年度に入って再公表された案件。
11日に財務局が行った建築工事の入札では「東京消防庁日本橋消防署浜町出張所庁舎(H19)新築工事」の指名10者がすべて辞退して不調になったのをはじめ、都住扇二丁目と「都立板橋高等学校(H19)耐震補強その他改修工事」の2件は指名10者中9者が辞退・不参したため応札者が1者しかいなかった。
昨年度不調になった都営住宅関連工事の入札に参加した業者は「とにかく見積もりが合わない」と入札辞退の理由を話す。1999年度に都営住宅の建て替え工事を受注した当時と比較すると「1戸当たりの単価は現在の3分の1程度に下がっていた」と驚きの声を上げる。また、東京建設業協会が3月に会員企業などにアンケート調査を実施したところ「労務単価の上昇」や「資材価格の高騰」などの回答が寄せられたという。
これに対し都は「市場の実勢取引価格を反映させるため、設計単価表を四半期に1度見直しているのだが」と困惑気味。鋼材を中心に資材価格は上昇傾向にあるが、市況を反映した形で積算を行っていると話す。
東京に限らず、民間市場が好調な大都市圏の公共建築では同様の現象が増加している。中部地区でも昨年度に各発注機関の建築・設備工事で入札不調が続出したという。専門工事業者の不足などさまざまな要因があるようだが、好調な民間建築工事に支えられ、採算性の高い工事を選別する業者が増えているとみられる。
一方で、施工管理や技術者の配置条件が厳しい公共工事を敬遠する向きもあるようだ。都建設局が06年度に試行した総合評価方式(施工能力審査型)の結果を見ると、入札不調が全体の14%に当たる13件で発生したことに加え、1者だけの応札も14件あったという。総合評価方式の拡大で、技術者の配置条件はより一層厳しくなったことが、一部の業者が公共工事の受注を手控える要因にもなっている。
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