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海外工事の受注拡大で利益率はどうなる?20070622日経コンストラクション
国土交通省が6月12日に発表した2007年度の建設投資見通しによると,政府の土木投資額は前年比5.9%減の15兆4400億円。2006年度から2年連続で前年比約6%減だ。国内の市場が縮小し続ける一方で,海外工事の受注は好調。海外建設協会によると,2006年度に同協会会員43社が受注した海外の土木工事は6413億円に上る。
国土交通省が6月12日に発表した2007年度の建設投資見通しによると,政府の土木投資額は前年比5.9%減の15兆4400億円。2006年度から2年連続で前年比約6%減だ。国内の市場が縮小し続ける一方で,海外工事の受注は好調。海外建設協会によると,2006年度に同協会会員43社が受注した海外の土木工事は6413億円に上る。
海外工事は,一般的に国内工事に比べて収益性が悪くリスクも高いため,失敗しても国内工事からの利益で補てんできる程度にとどめる会社がほとんどだった。だが,主要建設会社の2007年3月期決算を見ると,海外市場へ積極的な進出を図る建設会社が出てきたことに気づく。
右上は,2005年度と2006年度の土木工事の受注高に占める海外工事の大きさを示したグラフだ。大成建設は2006年度に土木工事の受注高のおよそ半分を海外工事が占めた。同社は,2004年3月に発表した3カ年の中期経営計画で,当時単体ベースで年間約1000億円で推移していた海外工事の受注高を,2006年度には1.5倍の1500億円まで増やすことを目標に掲げていた。結果は,目標を大きく上回る2100億円。大林組も,2006年度は前年度の半分程度に減らしながらも,2003年度発表の5カ年計画に示した「2007年度までにそれまでの2倍に当たる年平均700億円に増やす」という目標を達成する勢いだ。
とはいえ,急速に拡大した海外受注で,各社の海外要員は不足気味。原油高,建設資材の高騰といった要素もある。最大の課題は,海外工事の利益率の向上だろう。国内工事の利益率も,低価格入札に象徴される競争の激化によって低下する傾向にある。海外工事の比率の高まりは,さらなる利益率の低下につながりかねない。利益率の低下を防ぐためにも,海外工事の比率を高めている会社にとっては,海外での事業体制の整備が急務になっている。
主要上場建設会社の2007年3月期決算の詳しい分析は,日経コンストラクション2007年6月22日号「NEWS焦点」参照。
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