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ゼネコン、地震対策に本腰 大成建設、高性能架構技術を確立20070605FujiSankei Business i.
■竹中工務店、震度3−5の揺れ極小化
ゼネコン各社が制震や免震といった地震対策技術の売り込みに力を入れている。大成建設は超高強度コンクリートと鋼材ダンパー、粘弾性ダンパーを組み合わせた制震機構を開発、マンションなどへの展開に乗り出した。竹中工務店や戸田建設、西松建設なども工場向けに対策技術を提案している。
1995年の阪神淡路大震災以降も、04年に新潟県中越地震、今年3月には能登半島地震など国内では大地震が相次いで起きている。東海地震の発生も懸念されており、大地震をはじめとする自然災害などによる事業停止を抑制し、従業員の安全を確保するための経営管理手法、BCM(事業継承マネジメント)を導入する企業も増え、工場などの耐震補強のニーズが高まっている。
また、最近ではオフィスビルや商業施設、賃貸マンションなどを投資対象とするファンドが、耐震性能を要求しており、これがゼネコン各社の制震・免震ビジネスを後押ししている。
不動産投資ファンドは「81年の改正建築基準法改正で定められた新耐震基準に合致していない建物は投資対象としないのが一般的。投資価値判定では、より最新の制震、免震技術を高く評価する傾向がある」(総合デベロッパー幹部)ため、ゼネコン側も最新技術を展開しやすくなっている。
大成建設は、従来の1・5倍の強度を持つ超高強度コンクリートと鉄筋を使用した柱を工場で生産。それを梁(はり)の主筋に用いたうえで、梁と梁を自社開発の制震システムでつなぐ高性能架構技術を確立した。
制震機構には機械装置を駆動して揺れを抑える「アクティブ型」、建物に組み込まれた装置が揺れを吸収する「パッシブ型」があり、大成の技術はパッシブ型に分類できる。
鹿島は、アクティブ、パッシブの中間的な技術といえる高性能セミアクティブ制震システム「HiDAX」を開発、すでに多くの超高層ビルに適用実績をもつ。最近では電力を使わないエコ対応のセミアクティブ技術も品ぞろえし、さらなる顧客獲得を目指すという。こうした技術は今後、投資対象となりつつある倉庫などにも普及する見通しだ。
工場をターゲットにした制震、免震技術も相次いで開発されている。竹中工務店の「ビスカス免震」は、積層ゴムと粘性体ダンパーを組み合わせた。大きな揺れはもとより、従来の免震が苦手としていた震度3〜5の揺れ、車や電車、人が歩く微振動まで、影響を極小化できるのが特徴だ。半導体工場への導入実績を公表するなど普及活動に注力している。
戸田建設は西松建設と共同で、工場の天井と壁の間に粘性ダンパーを設置し天井の破損や落下を防ぐ技術を開発。コニカミノルタオプトが神戸市に建築中の工場に適用する。03年の北海道十勝沖地震で天井落下被害が続発したことが開発の契機になっているという。
工場向けの地震対策技術を導入すれば、施工費はアップするが、安全確保や事業継承に効果を発揮することから、電機、精密機器メーカーなどでは採用に積極的。ゼネコン各社は制震、免震技術を差別化要素と位置づけ、主力の民間建築分野での受注獲得に結びつける考えだ。
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