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鋼材価格高騰 深まる中小業者の苦悩 スライド措置適用を期待 全建調査20080501建設工業
鋼材を中心とする資材価格の高騰に、中小建設会社の苦悩が深まっている。全国建設業協会(全建、前田靖治会長)は状況を把握するため、傘下の都道府県協会を通じて緊急調査を実施。その結果、「鋼材の入手が非常にタイトで価格も日々上昇している」と多くの建設会社が対応に苦慮し、工事請負金額を変更する「単品スライド措置」の適用を望む実態が浮き彫りになった。
調査結果によると、資材調達では、建設会社の注文通りに鋼材などが納入されるケースは減り、納期まで2〜3カ月待ちになる場合も少なくないようだ。鋼材価格が依然として上昇基調にあることから資材業者、商社に見積もりを拒否されたり、納期が不確定で長期の注文は価格提示を断られたりするケースもあった。高炉メーカーなどの動きを見ると、鋼材価格の上昇は今後も続くことが予想される。「一企業がコスト増を吸収するのは到底不可能」な状況にあり、鋼材以外の資材でもメーカー側から値上げ要請が後を絶たないという。積算基準が市場価格の高騰に追い付かず、設計変更もままならない中で「差がありすぎて対応のしようがない」とあきらめ気味の意見もあった。
急激な物価上昇に対応する請負契約の「スライド条項」は、いくつかの建設会社が発注者に適用を申し入れていた。だがいずれも前向きな回答を得るには至っておらず、「発注後1年を経過しないと(適用は)無理」「非常に難しい」という反応が多い。ただ「利益はおろか赤字になることを恐れながら工事を進めている」ほど、中小建設会社が置かれる状況は厳しい。資材価格の高騰に対処する方策として、業界側はスライド措置の適用に期待をかけるものの、単品スライドの適用に明確な基準がなく、全体スライドも総体的な調査に時間を要する。建設会社の悲痛な声に、今後、発注者側がどう応じるのかが注目される。
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