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雇用対策 3年10兆円 政府、来年度から 『埋蔵金』活用を検討20081203東京新聞
政府は二日、急激な景気後退に対応するため、今後三年間で、雇用対策を中心に計十兆円程度の財政出動に踏み切る方向で検討に入った。公共事業など需要創出型の財政出動による景気浮揚効果が期待できない中、非正規労働者の失業や新卒者内定取り消しといった悪化が鮮明になりつつある雇用面の「セーフティーネット(安全網)」を重点的に構築し、国民生活の防衛につなげる。
麻生太郎首相は、与党に雇用対策の取りまとめを指示し、五日にも策定する方針。これらも含め、関係各省で詳細を詰め、二〇〇九年度予算から計上する。財源は、建設国債の発行や特別会計の剰余金である「霞が関埋蔵金」などを充てる方向で検討する。
具体的には、積極的な雇用に取り組む中小零細企業への助成策や派遣、パートといった待遇が不安定な非正規労働者の正社員化を進める方策などが挙がるとみられる。雇用保険制度も、これまで失業給付の支払期間が短縮されるなど「限界が近い」(政府関係者)としており、大幅に見直される可能性がある。
政府関係者は「経済状況が緊急事態に陥っており、思い切った対策が必要」としている。ただ、一一年度に国と地方合計の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標は、今回の措置により一層達成が難しくなるのは確実で、政府・与党内で論議を呼びそうだ。
◆首相 財政再建 事実上棚上げ
麻生太郎首相は二日、小泉内閣以来の財政健全化路線に沿って閣議了解された二〇〇九年度予算概算要求基準(シーリング)は維持する一方、別枠で歳出増を確保する考えを表明した。景気後退を懸念する自民党から、歳出削減方針を見直すよう求める意見が高まったことを受けた発言。財政再建の旗は降ろさないものの、事実上、棚上げされる公算が大きくなった。
首相は二日午後、自民党の保利耕輔政調会長らと官邸で会談。〇六年の「骨太の方針」で定められた公共事業費の前年度比3%削減や、社会保障費の自然増を二千二百億円抑制する方針を盛り込んだシーリングについて「撤廃すると無秩序になるのでそこまでは言えないが、状況が変わったので経済対策の対応を別途考えないといけない」と述べ、検討するよう指示した。
首相はこの後、記者団に「(シーリングは)維持する。ただし、現下の経済情勢は非常に急転直下のところがある。(閣議了解した)七月とは状況が全く違う」と述べ、財政出動に柔軟に対応する姿勢を示した。
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