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工事現場に対する苦情にどう対処すべきか20081211日経コンストラクション
暴力団などが脅しにくるケースが減ったにもかかわらず、工事現場で働く技術者たちの苦悩は深い。工事への苦情は減るどころかむしろ増えているからだ。苦情の主は、普段はごく普通に暮らしている住民だ。ある日、工事現場から出る騒音や振動をきっかけにひょう変し、怪物級のクレーマーに変わることも少なくない。
では、そうした苦情に工事現場で働く技術者はどう対処すべきなのか。日経コンストラクション12月12日号の特集「先鋭化する『普通の住民』との付き合い方」では、建設会社で地元対応の達人と評価されている人たちに、上手な対処の作法を教えてもらった。
達人たちが口をそろえるのは、苦情を寄せた人に素早く会って話を聞くことの重要性だ。例えば鹿島道路東京第二営業所の実田(さねだ)忠正副所長は「面と向かって聞かないと、わからないことも多い。苦情への対応を先送りしたり、避けたりすると、いつまでも苦情処理は終わらない」と断言する。しかも苦情を寄せる人の立場になって対応することが大事だと言う。
工事周知のビラを漫然と配らない
苦情を聞く姿勢も、その後の展開を大きく左右する。「話をじっくり聞けば、相手の怒りが収まることは意外に多い」と語るNIPPOコーポレーション厚木出張所の朝長(ともなが)正志所長が心がけているのは、相手の目を見て、とにかく相手の主張に耳を傾けることだ。
20年以上にわたって地下鉄の開削工事を担当してきた佐藤工業土木事業部の小島信一土木部長は「周囲から尊敬を集めるキーパーソンを把握するのが、住民対応で一番肝心だ」と指摘する。小島部長の言うキーパーソンは地元の中心人物のこと。特に長く住んでいる人たちが多い地域では有効だ。
このほか、工事内容をお知らせするビラを住民に配る際の注意点を指摘する人もいる。日本道路東京営業所工事課の秋山修課長は「ビラを配ったときの反応で、苦情を寄せそうな人たちを事前に知ることができる」とし、ビラの配布を会話のきっかけにすることの効用を説く。
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