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燃え止まり層で火を消す 大林組と竹中工務店が1時間耐火集成材を開発20081212日経アーキテクチュア
燃えても自然と鎮火し、荷重を支え続ける─。このような性能を備えた耐火構造の集成材を大林組と竹中工務店が共同で開発した。2008年2月までに、1時間耐火構造の柱や梁として国土交通大臣認定を取得。4階建てまでのオフィスや集合住宅などでの活用を目指す。
耐火集成材は、荷重支持部、燃え止まり層、仕上げとなる燃え代層の3層構造からなる。火災時、燃え代層が炭になって耐火被覆のように炎を遮り、燃え止まり層が燃焼部の熱を吸収して鎮火する。1時間燃焼した後、自然と火が消える性能を確保することで、構造材として荷重を支え続けることが可能になり、1時間耐火構造として認められた。
開発のポイントは、燃え止まり層を設けたことだ。この層が熱を奪うことで鎮火する。「火災の際、水をかけるのは、水の蒸発によって熱を奪うことで火が消えるからだ。耐火集成材では、水の代わりに熱容量の大きな材を燃焼面に密着させることで熱を吸収して火を消す方法を考えた」。開発に携わった大林組技術研究所の都市・居住環境研究室主任の山口純一氏は、こう解説する。
当初、燃え止まり層には熱容量の大きなモルタルを想定していた。その後、燃え止まり層に木材を用いて、純木質材料とするアイデアが浮上した。燃え止まり層に用いた樹種は、ジャラ。ウッドデッキなどに用いる材で、熱容量がカラマツやスギに比べて大きい。ジャラの採用で純木製の耐火集成材が実現した。
耐火集成材では、燃え代層も構造体として一体に働くよう工夫した。燃え止まり層にモルタルを用いた場合に、その考えが表れている。「荷重支持部をモルタルで完全に囲ってしまうと、支持部と燃え代層は完全に切り離されるため構造的にはバラバラになってしまう。これを一体化するため、燃え止まり層にはモルタルと木材を交互に配置した」。竹中工務店技術研究所新生産システム部門主任研究員の岡日出夫氏は解説する。モルタル部分を欠損部として構造的には評価する。
設計の考え方は、荷重支持部で自重を支えるために必要な断面を確保し、燃え止まり層を厚さ27mm、燃え代層を厚さ60mmとする。
大臣認定は、柱がカラマツ集成材とスギ集成材、梁がスギ集成材で取得している。価格は、一般的な集成材の2倍程度という。
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